【第63879 回出題(2006/5/13)・解説編・解答者14名・全員正解】

 非王手ばか詰 5手 acceleration作(初登場)

 



【ルール説明】

 ・先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める (ばか詰と同じ)
 ・但し最終手以外攻方・受方共に王手は禁手とする

 
 【詰手順】

 4八玉 3九金 同王 1九金 2八金 迄 5手詰

 【解説(のようなもの)】

 今回のこのルールは、昔からあるばか詰(非王手可)というものに途中王手不可という
 条件をつけたものです。双玉だと自王への王手不可を利用した限定が出来るので、創り易くなりそうです。
 解き方は、とにかく詰上りを思い浮かべるしかありません。大駒を取って成らせて詰まそうとすれば5手では出来ません。とすれば金打ちです。29の地点は桂が利いていますので28に金を打つ筋と気付けばゴールまではあとわずかです。しかしここから金を入手する方法が問題です。途中王手可であればいくらでも取る方法はありますが、途中王手不可という条件であれば、初手遠く離れる48玉〜39金という手順しかありません。途中王手不可を利用した見事な限定手順と言えるでしょう。あとは19の地点を埋めれば28金で詰上りますので斜め後ろに利かない駒を打つことになりますが、飛車だと王手となってしまう為、ここでも途中王手不可を利用して金限定打となります。
 5手の中に、途中王手不可を上手く利用した金の連打が印象に残る好作でした。
 
 コメント欄に書かれたものをかってに出題と言う形で解答募集しました。(失礼しました)しかし解答者の方々からは概ね好評でこのルールの作品第1号としては充分な働きをしていただいた気がします。
 今後、どのような方向へ進んでいくのか楽しみです。
 作者であるacceleration氏は70年代以降、とにかく素晴らしい活躍をされていた方で、名前はとりあえずは伏せておきますが(太郎さんの短評にヒントがあります)今後、復活されて再び活躍されることを熱望します。
 当時はFMもなく不完全も多かったようですが、”acceleration氏 + FM”となればかなりの傑作が世に出るのは間違いないですね。
 宜しくお願いします。
 
 解答者総数:14名で新しい方が2名、久しぶりの方もいらっしゃるし看寿賞作家5名(すごいぞ!・看寿賞を狙うなら是非ばか詰を解こう!)と好評でした。ありがとうございました。
 
(注)敬称は略させていただきました。

橋本孝治 5/20 12:20

 金尽くしの手順、特に19金の意味付けは面白いですね。
 このルールは手順の限定が難しいので、長編を作るのは大変そうですが、
「王手義務」に代わって指し手を縛る何か別の条件と組み合わせれば、長
 編分野でも結構発展性があるのではないかと予想します。

 今後、どのような形で発展していくか・・・私も楽しみです。(お前も創れと言われそう)

太郎 5/20 12:36

短編ばか詰合駒問題の味わい。
加速さんの本格的復活を期待しています。

 そう思っているファンは多いはずです。それとまさに3手目は合駒のような感覚ですね。

隅の老人B 5/20 19:38

 そのうちに、難解作が登場するでしょう。それまでの、点数稼ぎの解答です。

 FMチェックが出来るようになれば大きく発展するような気がします。

村田桂花 5/20 23:23

 30秒くらいで解けましたが、感心しました。
 連続金打ちの統一感もありますが、よく限定できているなぁと。

 ルール名ですが、「自由ばか詰」とかどうでしょうか。
 こちらの募集もされてはいかがでしょうか。

 途中王手不可が条件にありますので”自由”ではないかな?
 
若林 5/21 7:28

 なるほど、逆王手も禁止にしたのがお見事です。
 金連打の受方手順が楽しいですね。
 それにしても37桂一枚の働きが凄い。

 この37桂は本当によく働いています。我が社で雇いたいくらいです。

Jupiter 5/21 9:30

 4手目がいかにもこのルールらしい妙手で、面白いです。
 限定なんですね。

 ペンネームの方ですが、私のページでは初解答の方です。今後ともよろしくお願いします。

小峰耕希 5/21 10:41 

 解図時間:途切れ途切れに考えたので正確にはわかりませんが、
 多分5分とか10分程度だったと思います。
 最終手以外双方王手禁止の条件を利用して、見事に限定していますね。
 本局を見ているとこのルールにも可能性がありそうに思えますが、
 僕の検討力は最悪(≒0)なので、完全作を創れる自信はないです。
 手数を5手より延ばすとなると、使用駒制限とか、密室形にしてしまうとか、
 いろいろなテクニックを使って手の範囲を狭くしないとすぐ潰れそうですね。
 fm対応にするのもルールの性質上難しそうですし、ここは昔に戻ったつもりで、
 作者と解答者の間で手数短縮・余詰発見競争をして楽しむのだと割り切って
 しまった方が良いのかなと思ったりします。

 それもそれなりに楽しいと思います。

小林敏樹 5/22 3:47

 さすがはaccelerationさん、例題として最適ですね。
 今後どのように発展するのか楽しみにしています。

 要所をしっかり押さえた例題といえるでしょう。

冬眠蛙 5/23 23:35

 4手目に気付かずしばし苦戦しました。このルールでこの駒数で完全限定は結構スゴイ
 ことではと思います。初手49玉の紛れが残ってたらもっとすごかったかもですね。
 ではでは。

 49に桂の利きが無ければ言うことはないでしょうね・・・

小五郎 5/24 22:30

 いつも面白いルールを拾ってこられますね。
 短手数ですぐに解けそう、とりあえず考えてみたく
 なるような。アンチキルケもこれではまってしまい
 ました。本作では4手目金打が見えにくく感じました。

 普通のばか詰より攻方・受方共手は広いですので、新手筋が発掘されるかも
 しれませんね。


吉川慎耶 5/24 23:36

 例題の時点でこれだと先が楽しみな新ルールですね。

 KKDも是非創作にチャレンジしてみて下さい。

KAMU 5/25 23:49

 気が付けば、なるほどな手順。当然ながらきれいに
 限定されているものですねぇ。

 解けて感心させる。作品はこうありたいものです。

解答欄魔 5/27 1:43

 フェアリーはばか詰くらいしかやらないのですが、
 このルールはチェスっぽくて気に入りました。
 4手目19金で少し悩みました。
 もっと面白いことができそうなルールですね。

 初解答ありがとうございます。今後とも宜しくお願いします。

もず 5/27 1:51

 駒種の限定のしかたがぴったりですね。
 このルールのお手本のような作品だと思います。

 もずさん作の後続作が楽しみです

最後に、隅の老人A&Bさんからこのような問合せが来ております。

 48王、39金、同王、19玉、29金で同桂成りは王手になるので取れない。
 こんな事ナイですよね?
 ルールに従えば、相手の玉の詰む時以外は王手が指せない。
 したがって、この詰め方でも29金打は同桂成、と応じられない。
 (考え方は2歩禁のルールと同じ。)
 よって、これも詰んでいる。このようなルール解釈は如何でしょうか?

  私としてはルールは分かりやすくが一番いいと思っているので、
 最終手以外の王手禁止(最終手=本作では5手目)であれば、
 29金に対する同桂成は6手目となり、詰んでいないとしたいのだが、
 現行の打歩詰の完全打歩・単純打歩の問題とやや似たところがあり
 打歩では現在完全打歩が主であることを考えれば難しい問題。
 *完全打歩と単純打歩の違いはOFMのルール説明を参照のこと
 私のところだけでの問題なら、独断でこうしますと言えばいいと思うが、
 そうでなくなることも考えればそうもいかない。
 6手目に当たる同桂成(の王手)をどう捉えるか皆さんの意見をお聞きしたいと思います。


 (隅の老人Bさんより追加の感想)
 「攻方19桂を配置しては?作意は、たぶん変わるが、これで完全?」

 上記詰手順を唯一解にする案と思いますが、27桂 15(35)金 同桂 19金 28金 で 余詰ですね。

 やや難しい問題を含んでいるとはいえ本作の入門編としての役割は充分果たしてくれたのは間違いありません。accelerationさんには感謝です。
 問題はこれからの展開ということになりますが、あまりハードルを高くしても投稿し難いと思いますので気軽に創作・投稿いただけるようお願いします。