第10回・PWCばか詰作品展

  PWCルール説明&解答                    
【PWCばか詰ルール説明】

1.取られた駒は(2.の例外を除き)取った駒が元あった場所に復元する。
2.二歩及び行き所の無い駒の禁に触れる場合は、復元せずに持駒になる
3.成駒は成ったままで復元する
4.成れる位置に復元した場合、成不成の選択は行えない

(2005年9月5日に掲示板でクロ氏が提案されたルール設定に準じています)

・表記法は駒を取った場合・・・○○駒(駒取り)/●●駒(←取られた駒の復元)とします。

簡単な参考として”たくぼんの解図日記”の2005年11月25〜27日付け:「PWCばか詰めについて考える」をご覧下さい

開催日 :   2006年11月15日(水)
解答締切 :  2006年12月10日(日)
解答発表 :  2006年12月15日(金)

【注意】

スペースの関係で敬称は略させていただいております。ご了承下さい。
なおこの出題は「正式発表」扱いとしFairy Top\の対象です。

今回も問題編のPDF版を作成しております。ご利用下さい。
第10回PWCばか詰作品展PDF版

10回で区切りと言うことで、これまでのデータを載せておきます。
(注:第8回の七郎さんの既発表作は除いています。)
【データ】

開催回数:10回
発表作品数:80題
発表作者数:9名
発表数ランキング 
順位 作者名 発表数
1 北村太路 21
2 若林 17
3 吉川慎耶 9
3 伊達 悠 9
5 太郎@神無一族 7
6 神無七郎 7
6 たくぼん 6
8 もず 3
9 真T 1
 作者数は意外と少なく9名でした。

解答者数:12名
解答成績ランキング(全80題)
順位 作者名 自力正解数
1 橋本孝治 80
2 若林 78
2 隅の老人B 78
4 小峰耕希 45
5 伊達 悠 42
6 北村太路 41
7 もず 35
8 癇癪老人 24
8 真T 24
10 吉川慎耶 23
11 橘 圭吾 21
12 太郎@神無一族 2
*10回皆勤は橋本孝治、若林、隅の老人B、小峰耕希の4名

いよいよ定期開催の最後となりました第10回PWCばか詰作品展の解答です。
アンチキルケばか詰作品展同様、10回区切りと言うことでひとまずこれにて定期開催を終了します。ある程度の普及は出来たかなという気はしていますが、まだまだ詰パラフェアリーランドにも登場していませんし本当はもうひと踏ん張りかもしれません。北村さんの傑作群を披露出来たのは望外の喜びでした。投稿頂きました作家の方々、解答頂きました解答者の方々には心よりお礼申し上げます。また今後も作品が集まり次第不定期開催は行なってまいりますので投稿の程よろしくおねがいします。

それではまいりましょう。
PWC1  若林 作 (登場13回) PWCばか詰 3手                       

【詰手順】 

 49飛 29金 同飛/49金 迄 3手 
 

【投稿時作者コメント】

38王配置とどっちが綺麗か。

【解説(のようなもの)】

 簡素合駒シリーズはこれまで銀、歩、角と太郎さんが発表してきました。本作は金合です。4枚で表現できているので充分納得させられる作品です。3八王でも同じということで38か58かは好みの問題でしょう。
 実は若林さんの投稿の次の日に太郎さんより同様の筋で投稿がありました。その旨、太郎さんに連絡しますと引かれましたのでここで紹介しておきます。

神無太郎作 PWCばか詰 3手

(追記:2006/12/27)
(お詫び)橋本様の指摘のとおり投稿不適の剽窃としか言えません。
作品を取り下げるとともに対応が後手になったことをお詫びいたします。
(2006.12.26 若林)

                        *

橋本孝治
 「この金合の原理は第3回の北村氏作の収束に出現したものと同じですね。だから神無太郎さんが発表しなかったのでしょう。」
 第3回PWC作品展の8番23手詰の収束が同様の筋です。太郎さんも実は創ってましたので最後の文ははずれでした。
伊達 悠
 「一路離して創作するのがポイント。お見事です、若林さん。」
 
一路寄せると最終手を同金と取られますね
隅の老人B

 「3手でも一目では、ムリ。ボケでルールを忘れて、再確認。」
真T
 「うまく限定させるものですね。」 
小峰耕希
 「太郎さんのAWAKEN44と配置が似ている(?)と思って調べ直してみたら、王と飛の
位置関係が逆でした。」
 AWAKENってばか詰じゃん
橘 圭吾
 「3手限定合シリーズ。巧く限定されている。(1〜3の短評)」
PWC2  若林 作 (登場14回) PWCばか詰 3手                       

【詰手順】 

 36馬 27桂 同馬/36桂  迄 3手 
 

【投稿時作者コメント】

ちょいと強引。持ち上げただけ。

【解説(のようなもの)】

 続いて桂合バージョンです。頭に利かない駒ということです。今までの簡素シリーズは4枚以内でしたが本作は残念ながら配置5枚です。
これもまた太郎さんがバッティングしてしまいました。

神無太郎作 PWCばか詰 3手

 若林さんとの違いは王手駒の違いで、若林さんは馬、太郎さんは飛です。これもやはり配置駒5枚で角は品切れとなっています。やはり難しいのでしょうね。

                        *

橋本孝治
 「飛角図式にするなら、19,29に受方の飛を並べる方が良いと思う。」
 なるほど・・・と私も感心
伊達 悠
 「4九飛がなかったら?1九飛で一手詰。4五角にもちゃんと意味があり、ちゃんと飛角図式に仕上がっている。これもまたお見事です。」
隅の老人B

 「いろいろやって、桂合を発見。時間は豊富、暇も良いもの。」
若林
 「8段目桂合禁止がこういう配置に。PWC4の方が格段に上です。」
真T

 「角合の選択肢がないのが残念に思えます。飛角図式とどっちを取るかですね。」
 角合を残しての作図は難しいのでしょうねえ 
小峰耕希
 「飛角図式でカモフラージュしている感じですが、この形だと考えるまでもなく桂。」
 解答者側というより創り手側が満足するタイプの作品でしょう。
PWC3  太郎@神無一族 作 (登場6回) PWCばか詰 3手                       

【詰手順】 

 39飛 29飛 同馬/47飛 迄 3手 
 

【解説(のようなもの)】

 ここまでで残るのは飛と香となりましたが、本作は飛です。4枚では無理だったのでしょうね。ポイントは王手駒(飛)で飛を取らないこと。ちょっとしたコロンブスの卵ですが、このへんが一味違う所です。(あげまんじゅう美味しかったです←賄賂を受け取った?)

                        *

橋本孝治
 「さしもの神無太郎さんも4枚では出来なかった?」
 有名税がありますら大変です。ちなみに28歩がないと46馬以下ぼろぼろに詰みます。
伊達 悠
 「太郎さんは今回は一つしかできなかったようですが、それでも最初に王手する駒と合駒を取る駒を別にする所に太郎さんの作図センスのよさがでています。あ〜すごいナァ・・・・・・」
 実は3作投稿だったんです。本命は本作とのこと
隅の老人B

 「これは簡単。だって、初手はこれしかありません。」
若林
 「ああ、王手駒と合駒を取る駒を分ければ良かったんですよね。」
真T

 「PWC1と対の感じがいい感じです(作者は違いますが…)。」 
小峰耕希
 「初手の王手駒と別の駒が取りを行うのが新手筋でしょうか。」
残るは香合・・・可能でしょうか?
PWC4  真T 作 (初登場) PWCばか詰 5手                       

【詰手順】 

 28飛 26桂 18飛 同桂成/26飛 27飛 迄 5手 
 

【解説(のようなもの)】

 最近、フェアリー解答でも活躍。詰パラでも普通作品で入選と頭角を現してきた新人・真Tさんの初登場作です。簡素な形から18を埋める構想を見事な手順で実現しています。
2手目桂合から18桂成とさせれば飛車は元の位置に戻っているのはビックリです。初手の位置〜すべてが一つの流れになっていて完成品です。今後が大いに期待できる作者です。

                        *

橋本孝治
 「初形から、18地点に忽然と現れる成桂。こんな簡素な形で、こんな高級な狙いを実現するなんて!」
伊達 悠
 「2五の玉は違和感を感じましたが、よく考えてみると角・銀では余詰がもう一つ出てくるんですね。邪魔駒発生の好作。」
 なぜだか王が自然に見えたのは私だけでしょうか?
隅の老人B

 「解ければ、"なぁ−んだ"。でも一苦労、これが超短編。」
 超短編の超は意味がおかしいって昔誰か言ってたな〜
若林
 「これは綺麗な限定合ですね。簡素で綺麗です。」
 綺麗という言葉が似合いますね
小峰耕希
 「いつの間にか桂が…というのが作者の主張ですね。」
橘 圭吾
 「PWCらしい手順」
 ・・・
PWC5  たくぼん 作 (登場4回) PWCばか詰 5手                       

【詰手順】 

 47角 25桂打 同角/47桂 同桂/33角 24角成 迄 5手 
 

【解説(のようなもの)】

 定期開催最後ということで、いつものようにPCに眠っている作品を引っ張り出してきました。簡素桂合ですが5手ですのであんまり意味は深くありません。むしろ角の稲妻のような動きが印象に残るでしょうか。

                        *

橋本孝治
 「47角がもったいない配置。角合を作意にした方が良いのでは?下図のようにすれば、桂合の制限も要りませんし。」

 58角 25角 同角/58角 同桂/33角 24角成 まで
 参りました。確かに37角は・・・・ですので、橋本案に1票です。
伊達 悠
 「久しぶりにピンされている作品を見ました。角と桂馬が跳ね合う形というのはチェスのキャスリングみたいで、きれいな感じを受けます。あ、PWCのルールそのものがキャスリングみたいか。」
 チェスのキャスリングって何かしらないのでよく分かりません。(これではプロパラは無理ですね)
隅の老人B

 「初手はこれしか無いだらう。さて合駒は?桂合を発見、ようやく調子が出てきました。」
若林
 「PWC4と同じ趣向なら簡素な前者を採ります。」
 狙っている所は違います。
真T

 「PWCにもだいぶ慣れたと思うのですが、角の筋が変わるのにはまだ慣れてないようで、4手目がなかなか見えませんでした。」
 角筋が変わるのは脳内では難しい 
小峰耕希
 「う〜ん、Aに桂跳ねを加えると本局になってしまうような…。」
橘 圭吾
 「37角配置が・・・・・・。」
 まさに核心
PWC6  たくぼん 作 (登場5回) PWCばか詰 9手                       

【詰手順】 

 88金/99金 同玉/77金 78金 97玉 88金 同玉/97金
 87金/97金 98玉 88金 迄 9手 
 

【解説(のようなもの)】

 実は誰も言ってくれませんでしたが、JEWEL BOX#2の第1番4銀と対の作品。隅の老人Bさんのコメント「金繰りでなくて、良かった」を読んで創ったものです。今回のコメントで期待していたのですが残念ながら独り善がりに終わってしまいました。
 なおこのシリーズはこれで終了です。

                        *

橋本孝治
 「87金の無効化の問題ですが、3手目にすぐ87金に手を出すとだめなんですね。4金図式は絨毯爆撃で全検してみると面白いかも。」
 意外と長いものもありそうです。
伊達 悠
 「初手が絶対なので詰上がりの形を想像するのは楽でした。それでも金一色は見た目がいいですね。」
 
金(かね)一色はもっといい。
隅の老人B

 「合駒はないと一安心。漸く、闇雲流の出番です。」
若林
 「簡素な軽趣向。88金3回のアクセントが面白い。」
真T

 「2手目に小考。6手目に長考。金の斜めの王手に対して同玉が見えないようです。苦労しました。」
 意外と見えにくいのが金の王手ですね。 
橘 圭吾
 「形が良いので救われている」
 う〜む
PWC7  若林 作 (登場15回)  PWCばか詰 9手                      

【詰手順】 

 56飛 46飛 同飛/56飛 25玉 26飛 同飛/56飛
 55飛 16玉 15飛 迄 9手 
 

【投稿時作者コメント】

3手は無理だと思っています。単玉でも攻方44王→攻方43,53歩などで成立します。成禁にすれば攻方58飛受方39玉だけで成立するのが皮肉なところ。もう一枚減りそうで減らず、今回再吟味してみましたがやはり甘くありません。

【解説(のようなもの)】

 作者は簡素飛合3手を目指したと思われますが、何故か9手詰に・・・。飛の使い方が上手く特に5手目の2六飛は上手い1手でした。しかし飛を自由に遊ばせて9手ですから余詰との戦いはかなりのものですが、これだけで収められれば上出来でしょう。

                        *

橋本孝治
 「合駒が非限定のはずがない、と考えれば易しい作。43玉は受方34歩の方が良いと思いますが…」
 なるほど単王でも同枚数で可能でしたか
伊達 悠
 「いかにも余詰みそうなのに、この手順をこれだけの駒数で抑えることができるとは。脱帽です。」
 創る人にしか分からないかも
隅の老人B

 「壁造りに感心。ふと思う、"解くより、創る方が簡単"か?でも、私にはムリ。」
 私見では創る方が簡単かと(強力な助っ人がいますから)是非挑戦してください
若林
 「PWC3が思いつかないとこうなります。余詰防止が派手。」
真T

 「なんかよく分からない手順です。26飛が発生したということでしょうか。」 
癇癪老人

 「飛車を2回活用するのがなかなか見えない。」
 意外と苦労されたようです
PWC8  伊達 悠 作 (登場8回) PWC打歩ばか詰 9手                       

【ルール注意】最後必ず打歩で詰ませて下さい。

【詰手順】 

 41龍 31香 同龍/41香 12玉 89角 56歩
 同角 34飛 13歩 迄 9手 
 

【解説(のようなもの)】

 私の苦手な法則系の問題です。
詰備会で見せてもらって考えた時、第一感で「13歩と最後に打ったとき同角で先手が詰まされればいいんだろう」と思いましたので、ばか自殺の感覚ですね。
 32歩をしばらく見ていれば詰上りは見えてくるでしょう。私は7,8分でした。
初めは歩合が78でも67でもいいのではないかと思っていました。それでは最終手同角と取った時に34角と飛車を取られて不詰なんですね。角の位置が56であれば、その同角で飛が56に来てしまい王手になるため同角と出来ないんですね。余詰防ぎも兼ねた55歩が上手い配置でした。
 作者は入院したりと大変のようですが、しっかり食べてはやく元気なって欲しいと思います。

                        *

橋本孝治
 「攻方王の配置で法則系との見当がつきますが、取れない飛の威力を背景にするのは新感覚ですね。“打歩”よりは“ばか自殺”に向いた素材だと思いますが、あくまで“打歩”にこだわるのがこの作者らしいところ。」
 作者は自殺系に強そうな気がします
伊達 悠
 「詰んでいる確認作業に時間がかかったのであれば、作者としては満足です。」
 う〜む解答者とすれば詰まして”やったー”というのが理想なんですが・・・。
隅の老人B

 「歩は簡単に手に入ったが、難しいね。ルールを思い出して、振り出しに戻る。」
若林
 「セルフメイトみたいな配置から法則系と判断がつけば解決。分かりやすいけれど綺麗に限定されるものです。」
真T

 「とりあえず法則型と決め打って解いたのですぐ解けましたが、PWCらしい手順が続くので気持ちいいです。」
 法則系と分からせない初形が必要か? 
癇癪老人

 「55歩を突いて取らせるのが意外。」
 ここがポイントです。できれば歩合にしたいところですが
小峰耕希
 「香合や飛合の感触は良いのですが、歩も打合にして欲しかった(55の駒を入れ替えれば実現出来ます)。移動合は駒や動きが大きければ付加価値になると思いますが、歩だと1つ前に進むよりありませんからね。もしかすると、使用数を少なくしよう、詰上りと無関係な駒を排除しようとしたのかも知れませんが、歩の入手法を巡る謎解きとしても、直後の飛合を引き立てる意味からも、個人的には打合案かなという気がします。」
 この意見は貴重です。作者も多分考えたと思いますが、悩んだ末の選択では似でしょうか?私も作者と同じ案を取る気がします。
橘 圭吾
 「二歩禁を利用した詰上がり。32歩は初形から消したい所」
それが実現すればすごいが・・・
PWC9  伊達 悠 作 (登場9回) PWC打歩ばか詰 11手                       

【ルール注意】最後必ず打歩で詰ませて下さい。

【詰手順】 

 74飛 64歩 同飛 54香 同飛/64香 44香 同飛/54香 34香
 同飛/44香 13玉 14歩 迄 11手 
 

【解説(のようなもの)】

 この作品も詰備会で見せてもらいましたが、これも58角の存在で法則系と予想できますので難しくもなく楽しめる内容です。作者は私がオーロラに言及しなかったことを気にしていますが、解答者からは橋本さんのみコメントされていましたので・・・やはりオーロラは斜めの4連続香合というイメージが強いんでしょうね。
 4連合いというのを簡単に成立させている所は感心しました。

                        *

橋本孝治
 「こちらは香のミニオーロラですね。4香でないのが残念なところ。」
 欲も出てきますね
伊達 悠
 「"オーロラ"を意識した作品だったのですが、詰備会のときにたくぼんさんに見せたときには一言も言及なし。皆さんの反応が気になります。」
 1/7でした
隅の老人B

 「歩は簡単に入手。香を並べて、万歳三唱。Gのおかげで、これは楽解。」
若林
 「PWC8と同一趣向ですね。こちらの方が面白い手順で好みです。」
真T

 「4連合がこんなに簡単に出てくるとは、すごいです。」 
小峰耕希
 「4連続隣接合(?)がテーマですね。58角を発生させる所から始められたら凄いなと思ったのですが、余詰防ぎが大変で僕には無理でした。」
 難しくない所に好感が持てますのでこれでよいでしょう。
橘 圭吾
 「前作をアレンジしたような作品。連続合が面白い。」
PWC10  若林 作 (登場16回) PWC打歩ばか詰 13手                       

【ルール注意】最後必ず打歩で詰ませて下さい。

【詰手順】 

 37馬 56玉 55馬 67玉 77馬 56玉 55馬 67玉
 77金 同香生/75金 45馬 66玉 67歩 迄 13手 
 

【投稿時作者コメント】

本当は受方45桂を置きたいのですが、上手い配置が見つからず。同様に59馬配置も予詰消しに無理が出るのでやめました。結局良くも悪くもシンプルな手順です。

【解説(のようなもの)】

 こちらは法則系でない打歩です。普通作のような詰上がりが意外と難しいか。11手目の4五馬がPWCらしくなく難手だったようです。序盤からの馬の振り子運動が趣向的でいい感じです。歩は簡単に取れるのが少々もったいない気がしますが・・・駒数が増えるから仕方ないかも

                        *

橋本孝治
 「77歩を消してから金を引く手順が、一見無駄っぽくて面白い。金と香の位置交換は前回の吉川作の応用?」
 金と香の位置交換は目新しい感じがしますね
伊達 悠
 「普通詰将棋の中長編にあるようなワイパー式動きを展開する馬。面白い表現で、解後感もよいです。」
隅の老人B

 「歩は手に入れたが、解けないよ。香生に45馬、これが盲点でした。」
 普通詰将棋では打歩打開の為に不成ですが、本作は打歩誘導の為の不成ですね。
若林
 「馬のスイッチバック2回を意図していますが、打歩であることを踏まえてると。」
真T

 「難しそうと思い、構えて解こうとしたら、瞬間的に解けてしまいました。狙いは何でしょうか?」
 簡単に解けちゃうとそういう感想もありそうですね 
橘 圭吾
 「趣向ぽい感じの作品。小品。」
PWC11  若林 作 (登場17回)  PWCばか詰 15手                      

【詰手順】 

 55金 同金/65金 66金/65金 45玉 56金 同玉/45金
 46金/45金 57玉 47金 58玉 48金 67玉 58金 56玉
 57金 迄 15手 
 

【投稿時作者コメント】

手順の割に余詰消しが大げさですが、収束が一つしかないので簡単な単騎詰です。

【解説(のようなもの)】

 金一枚での詰上りを考えるのがポイント。中央でということで考えれば一つしかないようですのでそれに導けば分かり易いかも。
 しかし余詰防止駒が無ければというのは無いものねだりでしょうか?
 金4枚で実現できれば傑作と言えるだけに残念という気が大きいですね。
 作者もきっとそう思っているに違いないでしょうね。

                        *

橋本孝治
 「余詰消しの3枚がいかにも苦しいところ。でもこの手数では仕方がないか…」
 橋本さんがこう言うのですから仕方ないんでしょうねえ
伊達 悠
 「金一枚で詰んでしまう順をうまく消している二枚飛車の絶妙な配置にも目が行きます。もちろん構想もよいですが、それを実現するための駒数の削減技術には舌を巻きます。」
隅の老人B

 「金一枚で玉を詰めるには?、これで最終図を想定。後は得意の闇雲流。」
 解法の基本手筋です
若林
 「余詰消しのインパクトに手順負けな気が。」
真T

 「6手目に小考、やっぱり同玉に途惑ってしまいました。王手した駒を玉で取るということに慣れてないようです。」 
 これでそろそろ慣れるでしょう・・・って定期開催は終わりますが(申し訳なし)
PWC12  神無七郎 作 (登場7回)  PWCばか詰 21手                      

後手:持駒なし
【詰手順】 

 19香 28玉/18桂 29歩 17玉 26桂 27玉/17桂 28歩 16玉
 25桂 26玉/16桂 27歩 15玉 24桂 25玉/15桂 26歩 14玉
 23桂不成 24玉/14桂 25歩 13玉 22桂成 迄 21手 
 

【投稿時作者コメント】

持駒制限をすることにより簡単に趣向が成立しました。45龍の配置は賛否両論あると思いますが、最後まで桂を跳ねたかったので。

【解説(のようなもの)】

 持駒制限により、余分な配置を無くして簡素に趣向を成立させています。これも一つの方向だと思います。終わり方も余分な収束をなくし私好みであります。PWCらしい趣向はまだまだ埋もれているのでしょうね。もっともっと見たいと思っているのは私だけではないでしょう。

                        *


伊達 悠
 「シンプルな趣向で好感が持てます。持ち駒なしですが、最終手で詰んでいるのかどうかちょっと不安になりました。」
隅の老人B

 「上辺で詰むのだろうと予想、趣向を発見。これだと確信、あっけない終末でした。」
若林
 「これは面白いですね。龍1枚でよく成立したものです。歩の行進と空き王手による趣向がとても楽しい。」
 この作品のよさは楽しいと言うことですので解答者に伝われば言うことなしです。
真T

 「簡素な形からの趣向手順。楽しかったです。」 
癇癪老人

 「後手持ち駒なしの条件はつらい。」
 そういう考えもあるのでしょうね
小峰耕希
 「持駒制限ありとはいえ、守備駒龍1枚で趣向を最大に引き伸ばす辺りは流石です。」
橘 圭吾
 「軽い趣向作品。PWCでしか表現できなそうな趣向作品は解いていて面白い」
PWC13  吉川慎耶 作 (登場9回)   PWC打歩ばか詰 23手                    

【ルール注意】最後必ず打歩で詰ませて下さい。

【詰手順】 

 29飛 18玉/19桂 28飛 17玉/18桂 27飛 16玉/17桂
 26飛 15玉/16桂 25飛 14玉 26桂 13玉 15飛 14歩
 同飛/15歩 22玉 24飛 23歩 同飛生/24歩 12玉 24桂 11玉
 12歩 迄 23手 
 

【投稿時作者コメント】

どうしても良い収束が思い付かなかったのでこのままで投稿します。

【解説(のようなもの)】

 下段での歩合は難しそうなので2歩禁がらみと想像はつきますが、手順はなかなか巧妙です。序は絶対手順が続いて2五飛 1四玉からが腕の見せ所、26桂跳ねから1筋に歩合発生〜2筋に歩合発生〜移動させて桂で取るというのは見慣れない手順ですばらしい感覚。飛不成も入ってますし、玉の19〜11の移動もあり貧乏でもあり・・・う〜ん参りました。

                        *

橋本孝治
 「この作を見て、こんな言葉を思いつきました。"発見は勤勉の証し"」
 その通りですね。私が発見できない理由もわかりました。
伊達 悠
 「思っていたより簡単でしたが、18手目の飛生にこの作品の価値ありと見ました。」
隅の老人B

 「25飛、14玉までは、なんとなくで、ここから難苦行。飛生、2歩禁と妙手続出。初形も良いし、これは好作。」
若林
 「絶対の序から手が止まる。意外に手が付けにくく、飛生も含めた手順はなかなか。」
皆さんの感想はほぼ同じです。後半の手順が好手順。序が入りやすいのも作品としては取り組みやすく奏効でした。
PWC14  神無七郎 作 (登場8回)   PWCばか詰 103手                    

【詰手順】 

 57角 59玉/48歩 68角 69玉 78角 58玉 67角 48玉/58歩
 57角 59玉 48角 69玉 78角 68玉 57角 58玉/68歩
 67角 59玉 48角 69玉 58角 78玉 69角 68玉/78歩
 57角 59玉 68角 49玉/59桂 58角 39玉/49歩 57角 38玉
 47角/58と 49玉/38歩 58角/47と 59玉/49桂 48角 68玉
 57角 78玉/68歩 67角 69玉 78角 59玉 48角 58玉
 67角 68玉/58歩 57角 69玉 78角 59玉 68角 48玉
 57角 58玉/48歩 69角 59玉 68角 49玉/59桂 58角 38玉
 47角/58と 48玉/38歩 57角 49玉 58角/47と 59玉/49桂
 48角 68玉 57角 78玉 67角 69玉 78角 59玉
 68角 49玉/59桂 67角 58と 同角/67と 38玉/49歩 47角 39玉
 57角 48歩 同角/57歩 49玉/39歩 38角 58玉 49角 68玉
 57角/48歩 78玉 67角/49と 69玉 78角 59玉/69桂 68角 58玉
 67角 47玉 58角 迄 103手 
 

【投稿時作者コメント】

要は59歩が邪魔なのですが、消えにくいので代わりに39歩に消えて貰います。最初は8,9筋でも歩を消す40手の序奏を付けていたのですが、主題を明確にするため、省くことにしました。

【解説(のようなもの)】

 初形より59歩がないと、57角 59玉 48角以下55手詰(注:5解あるが)。ということで59歩に消えていただきたいのだがなかなか上手くいかない。作者曰く代わりに39歩に消えて貰うこととなる。細かいやり取りの意味は非常に難しく説明はし難いが角2枚を巧みに操り38歩48歩と並べる形まで持ってきて38歩を消去することが出来るまでに実に64手もかかります。多分解答者は何をしているのかよく分からないまま手を進めていたのではないでしょうか?そこに行き着くまでに59歩は一旦78に行くのがこれまた驚きの手順です。
さて歩が一枚消えたから攻め手が増えたと言ってもこれからが一山二山あります。まず詰上型(49と48歩の壁駒)を想定できるかが1つの山。それを実現する手順を思い描けるかが二つ目の山です。多分私には無理だと思います。67からと金をジャンプで49に持ってくる手順、歩合させて巧みに48に持ってくる手順・・・見事な手順としかいいようがありません。
 PWCばか詰の長編の解図の難しさはこの辺に有ります。先に進めむには駒の消去&位置変換などありますが目的がはっきりしないと雲の中を手探りで進むようなもの。よほどの根気がないと大変です。本作の正解者2名には拍手・拍手です。

                        *

隅の老人B
 「膨大な時間を使っての解図。いくら暇でも嫌になります。 でも、解けたような?気がした時の嬉しかったこと。 解答書きで、又一苦労。最初の方の手順が思い出せない。 これが闇雲流の欠点、手数勘定も面倒。 他の解答者の解図時間は?、こんな事も考える。
 私もよくやる闇雲流ですが、確かにそこに至る手順を想い出しにくいというのはありますね。しかしながら見事正解!さすがです。
若林
 「時間はかかるけれど、千日手にならないように駒を運べば自動的に解けた……のですがどうするとこういう機構が作れるのか。非常に良くできた箱入り娘のような作品。」
 本作が自動的に解けるとは参りました。とはいえ時間はかかっているんでしょうねえ。
癇癪老人
 「とうとう109手から短縮できませんでした。残念無念・・・」
小峰耕希
 「これも無解。手の進め方が悪いらしく、初形で39にある歩が玉の進路を邪魔して行き詰まってしまいました。残念。」
 いいところを付いています。後一歩でした。
総評&解答成績                      
【総評】

橋本孝治
 「久々に即日解答のチャンスだったので、盤駒を引っ張り出して解きました。定期開催は最終回とのことですが、これからも不定期開催が何度もあることを確信しています。」
 見事当日解答です。アップしたのが16時前ですから実質数時間で解図されたのでしょう。久しぶりに当日解答を見たと言う気がします。たしかに14番を解かなくていい橋本さんさからなんでしょうねえ。不定期開催は作品の集まり次第ということで皆さん次第ですね。
伊達 悠
 「こんなところです。確かに今回は簡単な問題が多かったのは事実ですね。」
 こら14番も解いてから言いなさい!
隅の老人B

 「定時出題はこれが最後のこと、淋しくなりますが、 一方、ヤレヤレの気もします。いつも難問、好作が出題され、長時間楽しみました。担当のたくぼんさん、作品を創られた皆さんに感謝です。本当に、有り難う御座いました。
 作家・解答者あっての企画ですので私の方から”こちらこそありがとうございました。”です。
若林
 「ひとまずの区切り、お疲れ様でした。多謝。やはり記憶に浮かびやすいのは長編ですが、短い手順でも面白いものがたくさんありました。」
 
詰パラでもアンチキルケやPWCの短編が載るようになれば・・・と思います。
真T

 「詰パラの短コンなんか解いてたら時間がなくなってしまいました(笑)。PWC14には嵌りました。玉と角2枚でぐるぐるぐるぐる。詰んだと思ったら非限定ありの113手。どうにも
こうにも非限定の消し方が思いつきませんでした。残念です。前回解答強豪にされちゃってましたが、もうそろそろぼろが出始めた感じです。」
 これが解ければ解答トップクラスですから・・・ボロじゃないでしょう。作品もまた宜しくお願いします。 
癇癪老人

 「締め切りはまだだと思ってたのでちょっと遅れましたが・・」
 いえいえ締切告知を怠っていまして失礼しました。
小峰耕希
 「定期開催は今回までだそうですが、最近僕が数作投稿したので、きっと近々"帰ってきた第11回アンチキルケ&PWCばか詰作品展"みたいな物があるでしょうし、寂しくなる事はないでしょう。というか、寂しくなったらアンチキルケとPWCを大量生産する事ですね。」
 是非投稿お願いします。現在両方合わせて5作くらいですのでもう少しです。
橘 圭吾
 「最後という事で解答。完全に解答締め切りを勘違いしていて全解できなかったのが残念です。(後、一週間あると思っていた…)これからも広くPWCが普及してくれる事を願います。」
 提唱者からそう言われれば頑張るしかありません。

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【解答成績

解答者名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
橋本孝治
伊達 悠
隅の老人B
若林
真T
癇癪老人
小峰耕希
橘 圭吾

解答者数 8名 うち全題自力正解者 3名 

全題正解者は橋本孝治さん、隅の老人Bさん、若林さん、の3人でした。

最難問はもちろん14番でした。

それでは・・・第11回までさようなら