第4回・PWCばか詰作品展

  PWCルール説明&解答要項                    
梅雨ですね。じめじめとしたいやらしい季節になりました。ワールドカップも初戦を落としてもうあとのない戦いになってしまいましたね。果たして奇跡の予選突破なるでしょうか。
単独開催2回目の第4回PWCばか詰作品展ですが8名の方より解答を頂きました。ありがとうございました。
 それでは解説編のスタートです。

第4回PWCばか詰作品展
開催日 :   2006年5月15日(土)

【PWCばか詰ルール説明】

1.取られた駒は(2.の例外を除き)取った駒が元あった場所に復元する。
2.二歩及び行き所の無い駒の禁に触れる場合は、復元せずに持駒になる
3.成駒は成ったままで復元する
4.成れる位置に復元した場合、成不成の選択は行えない

(2005年9月5日に掲示板でクロ氏が提案されたルール設定に準じています)

・表記法は駒を取った場合・・・○○駒(駒取り)/●●駒(←取られた駒の復元)とします。

簡単な参考として”たくぼんの解図日記”の2005年11月25〜27日付け:「PWCばか詰について考える」をご覧下さい

【注意】

スペースの関係で敬称は略させていただいております。ご了承下さい。
なおこの出題は「正式発表」扱いとしFairy Top\の対象です。

今回もPDF版を作成しております。ご利用下さい。
第4回PWCばか詰作品展解説編・PDF版

PWC1  太郎@神無一族 作 (登場2回)  PWCばか詰 3手                      

【詰手順】 

17飛 18角 同飛/17角  迄 3手詰
 

【解説(のようなもの)】

 飛車2枚が美しい初形。手順も角の限定合を3手で表現している。これ以上触りようのない物と言えよう。私ならあれこれ逆算したりして醜い作品になるのは間違いないだろう。

                        *

橋本孝治
 「こんな簡単な意味付けで角合いが限定できるとは。変に逆算しない所にも作者の美学を感じます。」
 acceleration さんによると逆算はかしこ系の手法だそうで、この作品を見るとそれも頷けます。
隅の老人B
 「桂合でも同じ? いいえ、それは禁手です。」
 単純ですが上手い限定方法です
若林

 「簡素な限定合のお手本。8段目桂合禁止が綺麗。」
吉川慎耶
 「かわいらしいミニPWC。」
北村太路
 「なるほど、と思わせる啓蒙作。なるべく精錬された形に、という姿勢がいつもながら素晴らしいです。」
洗練という言葉が一番似合いますね。対極が私かも・・・。
伊達 悠
 「思わず駒の動きを再確認してしまいました。」
もず
 「この限定合は発見ですね。」
灯台下暗しですね
小峰耕希
 「これが無名の新人が発表しても褒めて貰えそうにないですが、作者が太郎さんだと妙に価値があるような気になってしまいます。」
 無名の新人でも褒めてもらえます。みんな優しいですから
PWC2  北村太路 作 (登場8回)  PWCばか詰 7手                      

【詰手順】 

 28飛 同歩成/27飛 37飛 27歩 29玉 39飛 18玉 19飛 迄 7手詰
 

【解説(のようなもの)】

 このさりげないくるっと回る手順にしっかりスパイスが効いている1手がありました。今回私も解答を見ずに解図しましたがかなり手こずりました。
ばか系は不成が基本なんですが、本作の2手目の歩成が素晴らしい1手。最終形を見てもらえれば分かりますが27の地点に駒がなければ不詰です。2手目が不成だと3手目に37の歩を取った時に2歩のため27に移動できず穴が開いてしまいます。2手目成っておけば2歩ではないので移動できて27を埋めることが出来ます。見事。
 手順もぐるッと1回りで完成品です。北村さん絶好調。

                        *

橋本孝治
 「最初、2手目を"不成"と指し、見事にハズレ。北村さん、またまた新手筋ですね。」
 作者の作意ももともとそうだったみたいです。
隅の老人B
 「7手で一周。愉快、愉快。」
 1周するだけでも好評です
若林
 「盤面に壁駒として残すための成の意味づけが面白い。」
 さすがに狙いをしっかり見極められています。
吉川慎耶
 「飛車の小回転。」
北村太路
 「最初、不成なら守備の利きがないから詰んで、成ると利くから不詰。というのを作ろうと思ったんです。fmに聞いてみたら、何故か不成なら不詰で、成ったら詰んでました・・・。気分的には自分の成績は不正解にしておいて欲しいくらいの気持ちです。まだPWCが全然理解できていないようです。」
 予想外の創作秘話です。てっきり2手目成を中心に組み立てたと思ってしまいます。
伊達 悠
 「歩生ではなく、歩成の限定。玉を北村太路ならぬ袋小路に追い込んでいく手順に拍手。」
 北村太路と袋小路を無理やり引っ掛けたコメントが笑えます
小峰耕希
 「巧く逆算して無仕掛けにした、って所でしょうか。」
 
PWC3  吉川慎耶 作 (登場3回)  PWCばか詰 9手                      

【詰手順】 

 12歩 21玉 11歩成 同龍/13と 12と 同馬/23と 32と 同龍/33と
 22と 迄 9手詰
 

【解説(のようなもの)】

 解答の中にもいくつか書かれていますが、図を見て11玉と3段目の大駒守備駒の距離が遠いので詰み難いと考え、玉に近づけるような手順を模索すれば正解に近づけるでしょう。私は最初2手目馬でとって時間がかかりました。意外と見えそうで見えない手順でした。
初形といい手順といいこれも好作といえるでしょう。こういうタイプの作品は結構人気がありますね。
                        *

橋本孝治
 「玉の傍に駒を近づけて、守備力を削るPWC特有の展開。PWC用格言「大駒は近づけて攻めよ」。」
 北村さんとはもりました”大駒は近づけて攻めよ”
隅の老人B
 「"さあ、とってみろ"と、22と。」
 無念!とれずと21玉
若林
 「配置だけにとどまらないいかにもPWCらしい作。」
 初形もいいですね
北村太路
 「初形もすごくいいし、手順もなかなかです。大駒は近づけて攻めよ、ですか。どんどん呼んで来て逃げ道を塞ぐので呼び出し塞ぎ、とでも名づけましょうか。」
伊達 悠
 「最初は1ニ歩を取るとばかり考えて大苦戦。」
 同じじゃ〜
もず
 「と金を取られても王手が消えないように玉の周りに駒を固めるわけですね。ユーモラスな感じです。」
小峰耕希
 「竜・馬を3枚引き付けて22と! これ以上書くのは蛇足かな。」
 ○
PWC4  若林 作 (登場4回)  PWCばか詰 11手                      

【詰手順】 

 59香 58歩 同香 47玉 48歩 37玉 39香 38香 
 同香 46玉 47香 迄 11手詰
 

【投稿時の作者コメント】

 持駒桂香でも香歩でも作意はほぼ同様だが、これを選択。双裸玉にならなかったのが残念。次図なら双裸玉だが、流石に一本道過ぎるのでやめ。

<参考>PWCばか詰 7手


【解説(のようなもの)】

 太郎さんなら参考図かもしれません。作意は歩と香を合駒で奪って香襖で詰上げます。合駒をいかに奪うかがポイントですが、ばか系で歩が合駒というのは意外と難しいのではないでしょうか?

                        *

橋本孝治
 「香桂の連合いを稼ぎたいところで、奥ゆかしく歩1枚のみ入手するのが妙手。左右対称形にしないのは紛れを重視したから?」
 玉方76歩→攻方88桂でも作意は変わらず完全です。私なら88桂型を選択すると思います。
隅の老人B
 「最初は桂合も考えた、収束の香合発見のお膳立てに30分。私には、難解作。」
 私も20分は越えたと思います。
吉川慎耶
 「玉方の歩先香歩?」
 歩先香歩が珍しいというのもよく分からない話です。でも当たっています。
伊達 悠
 「ダンスの玉?好作です。」
 ????
もず
 「香先香歩ですが、最初は桂合がほしくて悩みました。」
 香先香歩??でしたっけ(もう頭がパニック)
PWC5  吉川慎耶 作 (登場4回)  PWCばか詰 11手                      

【詰手順】 

 23桂 同龍/33桂 21桂成/33角 同龍右/32成桂 22成桂 同玉/11成桂
 12成桂/11角 31玉 22成桂 同龍/23成桂 32成桂 迄 11手詰
 

【解説(のようなもの)】

 3番と同じような感じですが、本作は生角の位置がポイントとなっています。33角型にして玉を31に移動するのが本作の狙いで、かなり気付き難い構成になっています。このシリーズは結構楽しめますね。

                        *

橋本孝治
 「4手目の2択問題ですが、きっちり間違いの方を選びました。」
 同龍直は第1感でしょうね。
隅の老人B
 「3番と同工異曲、詰上がり図はgood、いやbetterです。」
 初形もきれいです
若林

 「PWC3と同一趣向と言っても良いか。これはこれで好手順。」
北村太路
 「こちらは龍と角ですね。最初は雪隠詰と勝手に思って苦労しました。大駒の守備陣というところに目をつけた一連のシリーズがうまい作図と思います。」
伊達 悠
 「どこで2ニ玉/1一圭を実現するかに悩みました。よくこれで限定になりますね。」
もず
 「31で詰むのが意外でした。」
 私もこれにはびっくりでした。
小峰耕希
 「わざわざ追い出すと気付かず一苦労。特にラスト3手が盲点でした。」
 
PWC6  若林 作 (登場5回)  PWCばか詰 11手                      

【詰手順】 

 55金左/65桂 47玉 46金 57玉 47金 66玉 65金/55桂 76玉
 75金 66玉 76金 迄 11手詰
 

【投稿時の作者コメント】

 中段玉は収束が分かりにくく詰ませにくい味がある。ただし隅に追う筋があるのでこの方向では長手数は難しい。

【解説(のようなもの)】

 第1回で解答者を悩ませた作者の同じような中段王型作品。狙いが分かり難い点があるので解き難いのは間違いない。本作は私は意外と簡単に解けたのですが桂のリターンがユニークという感想です。

                        *

橋本孝治
 「金と桂の配置から、第1回のPWCばか詰作品展で苦しんだことを思い出しました。でもこちらの方は、割とすんなり解けました。慣れの問題?」
 いやこちらの方が考え易い気がします
隅の老人B
 「2枚の金で、いかに包囲するかだが、難しい。あっちにうろうろ、こつちにうろうろ。いつもの事です。」
 解き方はまさに同じです。ひたすら駒を動かすに限ります
吉川慎耶
 「桂を元に戻すのが面白いですね。(FM使用)」
 そういえば初形「フ」にも見えます
伊達 悠
 「第一回PWCばか詰作品展(アンチキルケばか詰作品展と相まって)3番を作った時にボツになったものでしょうか?もしそうだったらすごいですね。5五桂がスイッチバックしていますし。」
 ボツの作品は出さないでしょう・・(笑)
PWC7  たくぼん 作 (初登場)  PWCばか詰 11手                      

【詰手順】 

 49桂 58玉 47銀 49玉/58桂 38銀 48玉 37銀 57玉
 46銀 56玉 65銀 迄 11手詰
 


【解説(のようなもの)】

 中段玉は解き難いとうことで創ってみました。初のPWC作品(例題は除く)です。さしたる狙いはありませんが、2手目下に落ちる手に”えっ”と思ってもらえればそれだけで満足です。

                        *

橋本孝治
 「"2手目46玉や66玉だったら出題しないだろう"と予想。珍しく第一感が当たりました。」
 う〜ん。ここまで心理を読まれているとは・・・参った
隅の老人B
 「7番と同じで、うろうろ。この種の問題は、長時間、楽(苦)しめる。それにしても、たくぼんさんは八面六臂の大活躍。いつ寝るの?」
 私は夜が弱いので12時過ぎには寝ています。起床は5時55分です。
若林

 「中段玉はやはり独特の詰めにくい味がある。58桂の実現方法が綺麗。59桂配置が無駄がなく、構図として完成品。」
 構図は満足の出来です
吉川慎耶
 「まさかの手順です。会心作?(FM使用)」
 手順は普通でしょうか?会心という作品を創ってみたいものです
北村太路
 「時間切れでギブアップ!いきなり下まで行くのは想定の範囲外でした。下まで行くと5四銀が使えなさそうな気がしたのが完全に間違えでした。綺麗な形で、広々した盤面で手順が限定されていてよかったです。銀2桂2という選択が勝因?(fm使用)」
 ちょっとうれしかった。
伊達 悠
 「(注:祭り上げということではなく)白旗です。FMに解かせる事になってしまいました。かしこ詰の無防備玉ならばちょっと嬉しいのですが・・・妙に解き難かったです。」
 ふふふ。
PWC8  若林 作 (登場6回)  PWCばか詰 13手                      

【詰手順】 

 22銀生 同と引/23銀 14銀成/23と 同と引/15全 24全/15と 同玉/13全
 35と/36と 同玉/24と 34と/24と 45玉 44と 35玉 45と 迄 13手詰
 

【投稿時の作者コメント】

 これと前作は根本的には同じ構造です。と金だけで手順が成立したので結果として盤面局詰風味になりました。

【解説(のようなもの)】

 最終形が6番と同じとのとです。囲いを破るパターンは前回のJEWEL BOXのばか自殺詰でありましたがそれを思い出しました。初形はと金密集形にして持駒:銀じゃいけなかったんでしょうか?

                        *

橋本孝治
 「仕掛けがありそうな形の割には何も出てこず、ちょっと期待はずれ。追い出す展開にはして欲しくなかったです。」
 面白そうな手順が出てきそうな雰囲気は持っている作品でした。
隅の老人B
 「一度場外に出るとは、意想外。解けたら晩飯、ヤレヤレでした。」
 晩飯は豆腐ですかね
若林

 「2枚で追う、という意味ではPWC6と作成過程は同じです。こちらは手順が完全に銀→と金へのバトンタッチとなりました。今見ると収束流れた感が。」
 
吉川慎耶
 「収束がちょっと…。(人のことは言えませんが。)」
 作者も言ってますので・・・
伊達 悠
 「アレ、1四銀生、同玉/1三銀の順じゃなかった・・・・・・密集形のままで終わると思いきや一瞬だけ外に逃げてしまうし。ダブルのペテン作だったようです。」
 生は最初に考える手順です。
PWC9  北村太路 作 (登場9回)  PWCばか詰 33手                      

【詰手順】 

 27銀 35玉 26銀 同銀/15銀 24銀 46玉 35銀 同銀/26銀 
 37銀 55玉 46銀 同銀/35銀 44銀 66玉 55銀 同銀/46銀 
 57銀 75玉 66銀 同銀/55銀 64銀 86玉 75銀 同銀/66銀 
 77銀 95玉 86銀 同銀/75銀 84銀 94玉 95銀 同銀/86玉
 85銀 迄 33手詰
 

【解説(のようなもの)】

 こんな趣向手順が出てくるなんて・・・・と驚きの一作。
 玉方銀を連れてくる送り趣向でPWCならではの銀1枚による詰上がりに見事に持っていっています。全く無駄のない創りでこれはこれで気持ちよい創り方です。
 それにしてもこの趣向を見つけ出した作者の努力(運?)には頭が下がりますね。

                        *

橋本孝治
 「送り趣向も"夏木立型”になると高級感が増しますね。今度は大きな鋸引きではなく、目の細かい送り趣向も見せてください。」
 宿題が出ました。宜しくお願いします。
隅の老人B
 「趣向に気付けば、簡単。楽しい、こんなの大好き。」
 解答者には一番受けがいい作品でしょう。私もこういうの創ってみたい。(いつも言っているだけですが・・・)
若林

 「綺麗な送り趣向。一枚で2枚まとめて送れるのはばか詰ならではか。序も収束もなく、綺麗さっぱり。」
 PWCルールを上手く使ってますね
吉川慎耶
 「これしかないとは不思議な感じ。」
北村太路
 「始めに収束を考えてました。で、その収束に向かうために逆算したら、あれよあれよと。銀+銀玉ならこういう形しかないので、受方銀を運ぶ、というのが始めからついてきていたのだと思います。運がよかった。」
伊達 悠
 「エッチラオッチラ銀をお供に9四へ。おもちゃ箱に出しても十分通用しそうな作です。」
 くるくるでも行けそうですが、世間一般の人が解けるか?というと大変かもしれませんね。最終形が詰んでるって分からない人は多いでしょう。
もず
 「見事な趣向作。完璧ですね。」
小峰耕希
 「詰上りはあれしかないので油断してたら手数オーバー。玉と銀2枚によるV→逆Vの繰り返しがポイントでした。昔から言われている「銀は千鳥に」は、新興ルールにも当てはまるようで。」
 銀って横方向は千鳥しかいけないですよね。
PWC10  北村太路 作 (登場10回)  PWCばか詰 59手                      

【詰手順】 

 27飛 46玉 47飛 36玉/46香 37飛 25玉 27飛 34玉 
 37飛 24玉/34桂 27飛 35玉 37飛 46玉/35香 47飛 
 36玉 37飛 25玉 27飛 35玉/25香 37飛 44玉 47飛
 34玉/44桂 37飛 45玉 47飛 54玉 57飛 44玉/54桂 
 47飛 55玉 57飛 64玉 67飛 54玉/64桂 57飛 65玉 
 67飛 74玉 77飛 64玉/74桂 67飛 75玉 77飛 84玉 
 87飛 74玉/84桂 77飛 85玉 87飛 84玉/85桂 93桂成
 95玉 94圭 96玉 95圭 87玉/96飛 88金 迄 59手詰
 

【解説(のようなもの)】

 本作の趣向は攻方の桂を連れて行く趣向です。縛られている飛車だけでは詰ませられないので桂を連れて行くわけです。93の開いている地点に桂を開き王手で成る為ですが、これに気付くのはそう簡単なことではありません。途中の桂を連れて行く部分は何となくいけそうですが、序と収束は難解です。特に趣向を邪魔する香をどかす手順は簡単ではありませんでした。いろいろな趣向を探り出す作者には目が離せませんね。

                        *

橋本孝治
 「最初は香を移動させるのかと思いましたが、本命は桂でしたか。できれば、2枚同時に移動させるような趣向も見てみたいのですが、結構難しいんですよね(経験者は語る)。」
 2枚は難しいのかふ〜ん(未経験者は頷くだけ)
隅の老人B
 「桂をお供にの趣向だが、香が邪魔をする、これで難しい。収束の84玉/85桂も意表な好応手。こんな趣向をよく創りますね。」
 現在のPWCばか詰を支えている主力作家です北村さんは。
若林

 「萩絵図面とでも言えば良いのだろうか。それの横版であるが、王をガードする駒は飛と受方玉で入れ替わる。桂の送らせ趣向とでも言うのか、PWCらしい傑作。」
吉川慎耶
 「趣向は易しいが序が見えなかった。(FM使用)」
北村太路
 「PWC9と比べると無理作り感が漂います。七郎さんがつくると、レールがなくても飛車が動かせますが、自分が作ると一次元でしか、よう動かしません。不規則も序盤に香を1回絡めるしかできませんでした。役の飛車を最初と最後に舞台(7段目)に置かずに、入場、退場をさせたかったので、序と、しょうもない締めがつきました。カッコイイエンディングをつけるのがどうしても難しかったです。」
 作者は欲深いものです。こんな好作なのに・・・ねえ
伊達 悠
 「む、無理だぁ・・・・・・これも白旗です。FMを使いました。どうやったらこのような手順を作品までに完成させることができるのでしょうか、と思います。微妙に神無七郎さんのPWC小作例集1に似ているように見えたのは僕だけでしょうか?」
 はい・・・と思います
小峰耕希
 「初形を眺めるだけでは狙いが見えてこないので、とりあえず収束を探す所から始める。成程、93の穴は桂成に使うのか。ではどうやってドッキングするか。まず玉に張り付いてくる香が邪魔なので、少し回りくどい手順で引き離す。するとその間に桂が一路左に移動している! これで趣向手順も見えてやれ一安心と思ったら、何故か4手オーバー。原因は88金迄で詰んでいるものを、うっかり97飛、86玉、85圭、97玉、87飛…としていたため。配置を盤に並べて以降は、趣向に無関係で、しかも隅にある駒なので、認識から欠落してしまったようです。」
 この作品が解けるのなら私の作品も解けそうな気がする・・・
PWC11  北村太路 作 (登場11回)  PWCばか詰 63手                      

【詰手順】 

 12歩 21玉 11歩成 31玉 21と 41玉 31と 51玉
 41と 61玉 51と 71玉 61と 81玉 71と 91玉
 81と 92玉 91と 93玉 92と 94玉 93と 95玉
 94と 96玉 95と 97玉 96と 98玉 97と 99玉
 98と 89玉 99と 79玉 89と 69玉 79と 59玉
 69と 49玉 59と 39玉 49と 29玉 39と 18玉
 29と 17玉 18と 19玉 17と 15玉 16と 14玉
 15と 13玉 14と 12玉 13と 11玉 12と 迄 63手詰
 
 

【解説(のようなもの)】

 解説は不要の超おばか作品。私はこういうのが大好きです。アンチキルケばか詰作品展が終了したらいちど「おばか作品展」を開催しようと思っています。本作はその中に充分入っていける作品ですね。初手の12歩が62手後にと金と成り詰上る見事なストーリーです。

                        *

橋本孝治
 「62手掛けて歩を裏返す問題。完全周辺周りにならないのがちょっと惜しいですね。」
 19不通過が唯一のウィークポイントでした。どうしようもないようです。
隅の老人B
 「今回の作品展の最長手順だが、一番易しい。19の地点不通過は仕方がないが、大きなマイナス。18玉から始めると、11の地点が通過出来ない。作者もこれは考えた筈。
 作者以外で唯一全手順を書いてくれたのが隅の老人Bさんでした。解答専門の方は作者に敬意を表してだと思いますが必ず全手順を書かれる人が多いですね。
若林

 「作った者勝ち、というような図ではあるけれど、やはり楽しいです。4隅への移動を諦めて馬追いにすればほぼおなじ図面でかしこにもなりそうだけど、やはりこの図面のほうが楽しいですね。」
吉川慎耶
 「なにか引っ掛けがあると思いましたが…。」
 作者はそんな人ではありませんよ。作者が私ならそうではないかもしれませんが・・・
北村太路
 「数が足りなそう、ということなので無理やり水増しした一局。数が十分あるなら要らなかったなぁ。これでも作るのにはいくらか苦労がありますが、解く立場の方たちには申し訳ない気持ちです。1九はかなり工夫しないと通れなさそうです。」
 充分価値のある作品です。難しいだけが作品ではありませんし。
伊達 悠
 「・・・・・・(爆)。解答も何もあったものではありません。ただ爆笑。」
 こら手順を書け!
もず
 「玉が19を通れれば完璧だったのですが、ノンストップで一周するという条件では無理そうです。」
小峰耕希
 「狙いは誤解しようがないのですが、どうも以前九G別館で発表された、もず氏作(ノンストップ完全周辺巡り)の劣化コピーに見えてしまいます。」
 他の作品と比べてはいけません。意味のない事じゃあ
総評&解答成績                      
【総評】

橋本孝治
 
「前回の神無太郎氏の作品のような難物はありませんでしたが、今回も充実していました。そのうち、アンチキルケばか詰作品展の方がこちらに吸収されるかも」
 アンチキルケは終了します。PWCも10回まで行ければと思います。
隅の老人B
 「慣れと暇とで、なんとか全題解けたようです。1題解いては、解答を書いておく。こうしないと、直ぐに答を忘れます、ボケ?一目で解けた作品もあれば、難行苦難で何日も苦吟したものもある。総時間は15日も要しました。いつも妙味のある出題多数で、作家の皆さんには感謝です。これからの出題も、宜しくお願いします。
 解く人がいるから作者は創るのです。解答者にも感謝です。
若林
 「粒ぞろいの7題、楽しませていただきました。どれも味があって良かったです。」
 のこり4題も楽しませていただきました
吉川慎耶
 「未だルールに慣れていないので解くのに四苦八苦です。」
 私も同じです。昔パラに「このルールは初心者なので・・・」と感想を送ったら、担当者に「このルールはみんな初心者です。」と書かれた事があります。
伊達 悠
 「今月はこんな感じです。(たくぼんさんと北村さんの)二作も自力で解けなかったのは残念ですが。そういえば、まだ一度も完答したことがない?!頑張らなくてはいけませんね。ブログの方もどんどん充実していかないと・・・・・・よーし、来月も頑張るぞ!」
 ブログ頑張って下さい。盤面は貼れましたか?
小峰耕希
 「今月は11題中7題正解とまずまずの解答成績でしたが、無解の作者が若林さんorたくぼんさんと、相性が如実に出てしまいました。解けた中ではIが素晴らしいと感じたので、他の作品より長めに感想を書きました。まだPWCの新作は出来てません。ごめんなさい。九G別館では7月に初登場成りそうですが、さよならアンチキルケと握り詰は頑張らないと厳しい。詰四会の発足祝いは、少なくともフェアリーは何とかなりそう(でも出来は期待しないで下い)。」
 詰四会の発足祝い宜しくお願いします。祝電も受付けております。祝電で「ギョクガタ11ギョク、12カク・・・○テヅメ」なんていうのも受けるかも・・・。

                        *
【解答成績

解答者名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
橋本孝治
隅の老人B
若林
吉川慎耶
北村太路
伊達 悠
もず
小峰耕希
△はFM使用解答

解答者数 8名 うち全題自力正解者 3名 

全題正解者は解答3強・橋本孝治・隅の老人B・若林広さんの3名でした。若手期待のKDDトリオは揃って2〜4題解けませんでした。がんばれ〜