第9回・PWCばか詰作品展
第9回PWCばか詰作品展の解答発表です。今回の解答者数は8名と前回に比べると1名減でした。今回の目玉は何と言っても北村さんの超大作でしたが、他の作も好評があつまり、なかなかのラインナップであったと思っています。
次回が第10回ということで、アンチキルケばか詰同様に、定期開催は最後にしようと思っています。11回からは作品が集まり次第開催という形でいきたいと思います。予定していた次イベントが、森氏の件でのびのびになっているのをそろそろ開催したいと思っているわけでその点ご了承いただければと思います。 それではまいりましょう。 PWCルール説明&解答要項 【PWCばか詰ルール説明】 1.取られた駒は(2.の例外を除き)取った駒が元あった場所に復元する。 2.二歩及び行き所の無い駒の禁に触れる場合は、復元せずに持駒になる 3.成駒は成ったままで復元する 4.成れる位置に復元した場合、成不成の選択は行えない (2005年9月5日に掲示板でクロ氏が提案されたルール設定に準じています) ・表記法は駒を取った場合・・・○○駒(駒取り)/●●駒(←取られた駒の復元)とします。 簡単な参考として”たくぼんの解図日記”の2005年11月25〜27日付け:「PWCばか詰めについて考える」をご覧下さい 開催日 : 2006年10月15日(日) 解答締切 : 2006年11月10日(金) 解答発表 : 2006年11月15日(水) 【注意】 スペースの関係で敬称は略させていただいております。ご了承下さい。 なおこの出題は「正式発表」扱いとしFairy Top\の対象です。 今回もPDF版を作成しております。ご利用下さい。 第9回PWCばか詰作品展PDF版(問題編) PWC1 たくぼん 作 (登場4回) PWCばか詰 7手
【詰手順】
76馬 67桂合 同馬/76桂 59玉 68馬 同桂成/76馬 58馬 迄 7手 【解説(のようなもの)】 初手76馬から成桂を発生させて6手目また76馬に戻る。ストーリー。手順は好みの作品だが、余詰防止駒が美しくないので、半年以上お蔵入りしていました。幕開けにはちょうど楽しめたのではないでしょうか。 * 癇癪老人 「桂合がなかなか見えなかった。見えればすぐですが・・」 小峰耕希 「最初は移動合で竜を8段目から外す筋かと思いましたが、成程桂合ですか。」 馬鋸ではずすというのはみんな考えたことあるでしょうね。 北村太路 「当初右に追ったり、龍で移動合してみたりして詰まず、7六馬としてみて合駒を考えたときに"桂合だったら問題として面白そうだなぁ。でも詰まなさそうだし無理そうだなぁ(根拠なし)"なんて思いつつ桂合してみたら、予想に反して詰んでいるではないですか!桂合の理由付けが打つ前には思いつかなかったんですが、こんな使い方があったとは。一度位置交換した駒に、逆に位置交換させられ元の位置に戻ってくるのも面白いですね。作意では右側が不動ですが、香という比較的軽い駒2枚で余詰がうまく防がれているので、狙いに的を絞らせずに右側に誘われてうまい作りだと思います。さすが。楽しめました。好作。」 こんなに褒められては照れくさいです。 若林 「7手で桂合の2段活用は非常に綺麗。第7回の7番の桂の活用を純粋抽出した感じですね。」 感触はやや異なると思います。PWCは桂がいい味を出してくれますね 橋本孝治 「“8段目に桂が不成で行ければ飛筋を止められるのに…”と一瞬思わせる作。成っても守備には利かないのですね。」 真T 「なんか不思議な手順ですね。気づいたら成桂が発生してました。」 隅の老人B 「初手は僅かの3通り、これが詰まない。合駒入りは難しい。」 伊達 悠 「手順はよいと思います。ただ、もうちょっと配置を少なくできないでしょうか、と無責任にいっている僕。」 無責任だ・・・これ以上は私には無理でしょう。太郎さんなら出来る。 PWC2 吉川慎耶 作 (登場7回) PWC打歩ばか詰 9手
【ルール注意】最後必ず打歩で詰ませて下さい。
【詰手順】 18角 66玉 65飛/35桂 56玉 29角 37歩合 同角 同桂生/35角 57歩 迄 9手 【作者コメント(投稿時)】 初形「一」です 【解説(のようなもの)】 見た目に騙されてはいけない難解作。無解者3名は6番より多い。前回全解の真Tさんもこれには白籏でした。 打歩ばか詰の最初のポイントは歩の入手方法だが、方法は2手段ある。2歩禁と行き所のないパターン。本作は9手。2歩禁では短すぎるので行き所のないパターンを狙います。まず角を最下段まで動かすことを考えます。89に引くのは合駒の歩を発生しにくいので、18に引いて29角を狙います。しかし3手目いきなり29角は38、47歩でどうしても11手かかってしまいます。この紛れがかなり強烈で苦しまれた方も多かったことでしょう。 29角の前に65桂を35に位置交換しておくのが鍵でした。以下はその桂をもうひと働きさせて57歩まで。お見事!(児玉清風に) * 癇癪老人 「今回の最難問!初形曲詰でこの手順なら文句なし。」 氏が大絶賛ですからすばらしい!のは間違いない 北村太路 「都玉で、盤面真ん中に綺麗な一の字。正直初形が完璧なので、形から入った作で、手順はまあ大したことはないだろう、とタカをくくっていました。が、考えても全然わからない。うんうん唸りつつ桂が気になった。何か意味があるのかなあ?桂をうまく使えないかと、いろいろやってみたら・・・!完璧な手順で参りました。歩の入手のため最遠に開き王手、飛と桂の位置交換、桂と角の位置交換で、桂は逃げ道を塞ぎつつ、守備できないように生限定。角は支え駒としてまさに絶妙な位置への移動。と、華麗な手順に魅了されました。」 やはり桂がいい味を出しています。味の素より出るかも? 若林 「これも桂の活用ですね。最近のブームでしょうか。歩の入手から必然とはいえ、角の大きな使い方と重なって気持ちの良い作品です。」 橋本孝治 「最初は二歩禁利用だと思ったので裏を掻かれました。初形だけでなく手順も良い作品です。桂と角を位置交換する筋は最近よく見ますが、角の筋が変わるせいか、詰上りの想定が難しく、盲点になりやすいですね。」 かなりの解答者が苦労されています。角筋が変わるのは頭の中では組み立て難いんでしょうね。 隅の老人B 「先ず、歩を手に入れるには?、桂が大活躍でした。」 伊達 悠 「最遠移動はみえるものの、手順も流石。これに初形"一"ときては。」 初形曲詰の好作と言っていいでしょう PWC3 若林 作 (登場11回) PWCばか詰 17手
【詰手順】
59香 58香 同香 47玉 49香 48香 同香 37玉 28銀 38玉 39銀 27玉 29香 28香 同香 37玉 38香 迄 17手 【作者コメント(投稿時)】 第7回のPWC3のバリエーションです。 これは微妙。採用するか迷いました。 【解説(のようなもの)】 太郎さんを唸らせた伊達君のPWC打歩ばか詰13手(第7回3)のバリエーションだそうで、詰上り香が4枚見事に並びます。簡単で楽しめる作品です。 ただ玉方:76歩86歩、攻方:99銀の3枚は不要駒のようです。(反対の3枚でも同じ) しょっちゅう置いている私が言うのもなんですが形を整える為だけであればちょっと残念な感じです。 * 若林 「第7回の3番に対応しています。香一枚からの4香出現をやってみました。手順は野暮ったいです。」 伊達作は最終手歩打ちでした。香4枚は一つの趣向 橋本孝治 「銀を出るタイミングに少し迷いますが、4香並べの狙いが分かるので易しい作。位置交換が一つもないのも狙いの内でしょうか。ただ、単純な狙いはできるだけ単純に表現した方が良いと私は思います。例えばこんな風に。(単にこういうのが好みというだけですが。)」 私もこちらが好みですね。いや好みの問題ですが 真T 「最初右に追っていたのですが解けず、気分をかえて左に追ってみたらなぜかすぐ解けました。なんででしょうか。9手目の局面で88銀以下の手順が銀の位置変換と玉の位置変換の二つの意味があるのを残念に思いました。」 私はバドは右、将棋は左、マウスは右です。左に言ったのは真Tさんだけでした。 隅の老人B 「調子に乗って39香打。解けて、詰棋=持駒角香4を思い出す。」 みんな打ったと思いますよ39香 伊達 悠 「これはもしかして・・・・・・例の11手詰のプレイバックパート2?」 これはもしか自分の作品の手数を間違えてる? PWC4 若林 作 (登場12回) PWCばか詰 21手
【詰手順】
59香 58香 同香 47玉 49香 48香 同香 37玉 39香 38歩 同香 26玉 27歩 35玉 36香 44玉 46香/48歩 53玉 45桂 43玉 53桂成 迄 21手 【作者コメント(投稿時)】 作品としてはこちらが綺麗。 【解説(のようなもの)】 香打香合(最後は歩合)で下へ追い桂香の両王手で詰上る。ストーリーとしては悪くは無いと思いますが、少々気なる点がありました。 作者も言っていますが、前半の部分は第3回PWCばか詰作品展9番の北村作”PWC版槍衾43手”と全く同じ。収束も同作品展5番・北村作15手と同様の手順となっておりました。過去作とのバッティングは担当者がチェックしておけば問題なかったわけで、この点につきましては先行作の北村さん・本作者若林さんにはお詫び申し上げます。 まだまだ日の浅いPWCですがこんなに早くもバッティングするとは思いもしませんでいた。それにしても半年前の作品の手順を覚えていないとは情けない話です。解答者評にもそれに触れたものはありませんでした。 (追記:2006/12/27) (お詫び)たくぼん様の指摘のとおり投稿不適の剽窃としか言えません。 作品を取り下げるとともに対応が後手になったことをお詫びいたします。 (2006.12.26 若林) * 若林 「3番を弄っていて出来た作意。PWC版槍襖が既存であることを考えると、ちょっと中途半端だった気がします。」 橋本孝治 「この桂香での両王手は、創作中の余詰に出てきて悩まされたことがあるので、すぐに見えました。白紙の状態で解図したら、この収束は盲点になったかも。」 すでに普通詰将棋のように共有財産化収束なのでしょうか? 真T 「また、右に追い解けず、左に追ったら…。最後の両王手が気持ちいいです。」 う〜む真Tさんは心臓が右にあったりして・・・ 隅の老人B 「少し長いが、やや一本道。解く方も4題目で調子が出ています。」 伊達 悠 「今回の最難解問題。上に追い出してからの手順が広くて難しい。もしかしてこういう詰上がり?と期待して解き、無事に詰んだときは祝杯をあげました(解けたのが電車の中だったので、水筒に入っているお茶を)。でも今考えてみると、あまりPWCらしさが出ていないかな?とも思います。」 う〜む祝杯を上げたにもかかわらず文句を言うとは・・・(まあえーけど) PWC5 吉川慎耶 作 (登場8回) PWCばか詰 77手
【詰手順】
13と 24玉/14歩 23と左 34玉/24香 33と左 44玉/34香 43と 54玉/44香 53と左 64玉/54香 63と 74玉/64桂 73と引 84玉/74桂 83と右/73歩 74玉/84桂 73と右/63歩 64玉/74桂 63と右/53歩 54玉/64香 53と右/43歩 44玉/54香 43と/33歩 34玉/44香 33と右/23歩 24玉/34香 23と右/14玉 13と 24玉/14歩 23と左 34玉/24香 33と左 44玉/34香 43と左 54玉/44香 53と左 64玉/54香 63と左 74玉/64桂 73と左 84玉/74桂 83と左 94玉 95歩 同銀/86歩 93と 84玉/94桂 85歩/86金 同銀/76歩 83と右 74玉/84桂 75歩/76金 同銀/66歩 73と右 64玉/74桂 65歩/66金 同銀/56歩 63と右 54玉/64香 55歩/56と 同角/45歩 53と 44玉/54香 45歩/46と 同角/36歩 43と右 34玉/44香 35歩/36と 同龍/26歩 33と右 24玉/34香 23と右 14玉 13と 24玉 14と 迄 77手 【作者コメント(投稿時)】 前回の自作の改良版です。 【解説(のようなもの)】 第8回の8番53手を発展させたのが本作です。目的は2四歩(邪魔になる場所は1四歩)の消去です。その実現には1つ空いている9五の地点がポイントです。そこに歩を打てばなんとなしに同銀以下ジグザグ運動しながら右辺へ移動するのが見えますね。その打つ歩はと見ると8三に落ちてます。あとは前回の予習が出来ているので2歩禁利用で歩を奪取、消去とお望みどおりに進みます。あ〜気持ちいい。最近絶好調の作者の後続作が期待されますね。 * 癇癪老人 「最初に行き過ぎなければ問題ない。客寄せには最適の問題。」 最初に94まで行ってはいけません。でもみんな行ったことでしょう。 小峰耕希 「前回よりも収束の歩消去法が凝っていて、改良成功ですね。」 北村太路 「前回と同じということで、歩をとって、9筋まで来て、さあどうしよう?いろいろ考えたけど詰まなくて、ふと9五歩を8六の銀でとってみる。・・・お、右に行きそう?ってこれでどんどん送っていくのか!送ってみたら2筋まで行って、二歩禁で攻方の歩が1枚消えそう。消えたらすぐに詰みました。だから、四段目の途中の駒は桂や香だったのかー。なるほどー。実は、銀で斜めに歩を送る趣向は自分も思いついて、次のPWC6で使ったんですよね。(歩じゃなくて香を送った)自分のは、端から端までいけなくて(王手したときに、上部の飛と交換されて早詰になる順があった)小さくちょこちょことしか動かせなかったんですが。先を越されるし、端から端まで移動されてるし。やられたー。本当に最近の吉川さんの作品の充実度は素晴らしい。PWCの神がどこかに行ってしまったと思ったら、吉川さんのところに移動していたのかー。これからのPWCはお任せしました。」 神様は果たして北村or吉川どちらにいらっしゃるのか?6番を見てから答えを出しましょう。 若林 「見事な邪魔駒消去。24歩を消すために83歩を1筋で取って、取った歩を打てるのが9筋で、これが2筋までやってくる、という構想が美しい。これは綺麗です。気に入りました。」 橋本孝治 「攻守双方の二歩禁利用に加え、趣向性も増してますます楽しい作品になりました。 2ビートが4ビートに発展したということは、次は8ビートでしょうか?」 宿題宿題! 真T 「前回のを発展させるとこうなるんですね。でも、なんとなくですが前回の方が好きです。」 あっさりを好む人もいらっしゃいます。これも好みの問題ですね。 隅の老人B 「見事な2往復。闇雲流に最適で、楽しめますね。」 闇雲流と名前が付いたのですね。かっこいいですね。 伊達 悠 「趣向は簡単だけれども、作り方がお見事。邪魔駒消去を使うとは粋だねェ。」 PWC6 北村太路 作 (登場20回) PWCばか詰 519手
【作者コメント(投稿時)】
完全に完成、という感じがしないのですが、ここらで送ることにします。 【解説(のようなもの)&詰手順】 PWCばか詰の最長手数を更新した本作品。自力で解けていない私が解説できるとは思えないがとりあえず手順と途中図を交えながら先に進んでいこうと思う。 とりあえず手なりに進めてみる。PWC5・吉川さんの作品と同様の手順も含んで左に追う。 26飛/16桂 同金/25飛 35飛/25歩 46玉/36歩 47香/48馬 同銀右生/58香 45飛/35と 56玉/46歩 57香/58銀 同馬上/66香 55飛/45と 66玉/56香 まずここで軽く”飛成らせ”が入ります。龍じゃないと行き詰ります。 そして右へ 67香/68飛 同飛成/68香 同香/68龍 同銀生/58香 65飛/55歩 56玉/66香 57香/58馬 同馬左/48香 55飛/65歩 46玉/56歩 47香/48銀 同銀生/38香 45飛/55と 36玉/46歩 37香/38銀 同金/26香 35飛/45と 26玉/36香 ここまではある程度、素直な手順です。簡単に行き詰らないよう元に戻らないよう手順を進めていきます。ここからが舞台づくり本番です。成銀を作りながら左に行きます。 27香/28香 同銀成/38香 25飛/35歩 36玉/26香 37香/38金 同銀成/48香 35飛/25歩 46玉/36歩 47香/48銀 同馬引/58香 45飛/35と 56玉/46歩 57香/58馬 この場面、普通なら同龍/68香といくところですが、それでは上手くいきません。同銀生/48香と一旦戻すのが正解です。 同銀生/48香 55飛/45と 46玉/56歩 47香/48馬 同馬右/58香 45飛/55と 56玉/46歩 再び57香の場面、今度は龍で取ります。 57香/58銀 同龍/68香 55飛/45と 66玉/56香 67香/68銀 同銀生/58香 65飛/55歩 56玉/66香 57香/58龍 今度は戻るかと思いきや再び銀で取ります。巧に龍と銀の位置を調整します。この当たりが最大の難関で、遠い先を見越しての手順です。 同銀生/68香 55飛/65歩 66玉/56香 67香/68銀 同龍/58香 65飛/55歩 56玉/66香 57香/58銀 同馬引/48香以下47と57の地点で銀成らせを行ないます。先ほどの手順はこの手順の為の龍と銀の位置交換でした。 同馬引/48香 55飛/65歩 46玉/56歩 47香/48馬 この後57で成銀を作り見事に4連成銀が現れます。この時馬が7段目だとこの後の回転中に逆王手の筋があるんですね。実に巧みなつくりです。そして右へ追います。 同銀成/58香 45飛/55と 56玉/46歩 57香/58馬 同銀成/68香 55飛/45と 66玉/56香 67香/68龍 同と上/76香 65飛/55歩 76玉/66香 75飛/65歩 86玉/76歩 85飛/75と 同と右寄/95飛 96飛/95と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77と 56玉/66香 57飛/67全 46玉/56歩 47飛/57全 36玉/46歩 37飛/47全 26玉/36香 27飛/37全 ここで桂成らせが入りますが、回転には必要な手順です。その後左に玉を追います。 同桂成/15飛 16飛/15桂 同と/17飛 27飛/17圭 同桂成/15飛 16飛/15と 同圭/17飛 27飛/17圭 36玉/26香 37飛/27全 46玉/36歩 47飛/37全 56玉/46歩 57飛/47全 66玉/56香 67飛/57全 76玉/66香 77飛/67と 86玉/76歩(ここまで120手) ここからは時計回りに回転を始めます。目的ははっきりしませんがとりあえず回ってみましょう。 87飛/77と 同と右寄/97飛 96飛/97と 同と直上/95飛 85飛/95と 76玉/86歩 75飛/85と 66玉/76香 65飛/75歩 56玉/66香 55飛/65歩 46玉/56歩 45飛/55と 36玉/46歩 35飛/45と 26玉/36香 25飛/35歩 同と/15飛 16飛/15圭 同圭引/17飛 27飛/17全 36玉/26香 37飛/27全 46玉/36歩 47飛/37全 56玉/46歩 57飛/47全 66玉/56香 67飛/57と 76玉/66香 77飛/67と 86玉/76歩 1つずつ駒がずれてきましたね。32手サイクルで1周です。ではもう一周。 87飛/77と 同と右寄/97飛 96飛/97と 同と直上/95飛 85飛/95と 76玉/86歩 75飛/85歩 66玉/76香 65飛/75歩 56玉/66香 55飛/65と 46玉/56歩 45飛/55と 36玉/46歩 35飛/45歩 26玉/36香 25飛/35と 同圭/15飛 16飛/15圭 同全/17飛 27飛/17全 36玉/26香 37飛/27全 46玉/36歩 47飛/37全 56玉/46歩 57飛/47と 66玉/56香 67飛/57と 76玉/66香 77飛/67と 86玉/76歩 こうしてみると75歩85歩がポイントのような感じが分かります。ではもう一周。 87飛/77と 同と右寄/97飛 96飛/97と 同と上/95飛 85飛/95歩 76玉/86歩 75飛/85歩 66玉/76香 65飛/75と 56玉/66香 55飛/65と 46玉/56歩 45飛/55歩 36玉/46歩 35飛/45と 26玉/36香 25飛/35圭 同圭左/15飛 16飛/15全 同全引/17飛 27飛/17全 36玉/26香 37飛/27全 46玉/36歩 47飛/37と 56玉/46歩 57飛/47と 66玉/56香 67飛/57と 76玉/66香 77飛/67と 86玉/76歩 ここから進めて85飛のとき2歩禁により歩を取ることに成功しました。そのおかげで空間が1つ出来ました。これから第2弾の手順に入ります。 87飛/77と 同と右寄/97飛 96飛/97と 同歩/95飛 85飛 ここからとりあえず一周します。 76玉/86歩 75飛/85と 66玉/76香 65飛/75と 56玉/66香 55飛/65歩 46玉/56歩 45飛/55と 36玉/46歩 35飛/45圭 26玉/36香 25飛/35圭 同全/15飛 16飛/15全 同全引/17飛 27飛/17全 36玉/26香 37飛/27と 46玉/36歩 47飛/37と 56玉/46歩 57飛/47と 66玉/56香 67飛/57と 76玉/66香 77飛/67と 86玉/76歩(ここまで248手) ここからの切り替えポイントが実に巧みです。本作の成功の要因はこの切り替えにあると言ってもいいかもしれません。 87飛/77と 95玉 85飛/87と 同と直/84飛 94飛/84と 86玉 96飛/94歩 同と引/97飛 87飛/97と 95玉 85飛/87と 同と上/84飛 94飛/84歩 86玉 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 95玉 85飛/87と 同歩/84飛 94飛/84と 86玉 そしてここから意表を突く逆回転が始まります。まず一周目。 96飛/94と 同と/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77と 56玉/66香 57飛/67と 46玉/56歩 47飛/57と 36玉/46歩 37飛/47と 26玉/36香 27飛/37と 同全寄/17飛 16飛/17全 同全直上/15飛 25飛/15全 36玉/26香 35飛/25圭 46玉/36歩 45飛/35圭 56玉/46歩 55飛/45と 66玉/56香 65飛/55歩 76玉/66香 75飛/65と 86玉/76歩 85飛/75歩 同と右/94飛 第1趣向とは逆に駒がずれて行きます。2周目です。 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77と 56玉/66香 57飛/67と 46玉/56歩 47飛/57と 36玉/46歩 37飛/47と 26玉/36香 27飛/37全 同全左寄/17飛 16飛/17全 同全上/15飛 25飛/15圭 36玉/26香 35飛/25圭 46玉/36歩 45飛/35と 56玉/46歩 55飛/45歩 66玉/56香 65飛/55と 76玉/66香 75飛/65歩 86玉/76歩 85飛/75と 同と右/94飛 ここらは書くことがありません(笑)3周目 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77と 56玉/66香 57飛/67と 46玉/56歩 47飛/57と 36玉/46歩 37飛/47全 26玉/36香 27飛/37全 同全左寄/17飛 16飛/17全 同圭直/15飛 25飛/15圭 36玉/26香 35飛/25と 46玉/36歩 45飛/35歩 56玉/46歩 55飛/45と 66玉/56香 65飛/55歩 76玉/66香 75飛/65と 86玉/76歩 85飛/75と 同と右/94飛 4周目 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77と 56玉/66香 57飛/67と 46玉/56歩 47飛/57全 36玉/46歩 37飛/47全 26玉/36香 27飛/37全 同全左/17飛 16飛/17圭 同圭上/15飛 25飛/15と 36玉/26香 35飛/25歩 46玉/36歩 45飛/35と 56玉/46歩 55飛/45歩 66玉/56香 65飛/55と 76玉/66香 75飛/65と 86玉/76歩 85飛/75と 同と右/94飛 1間離れた歩2枚が1筋に近づいてきました。5周目 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77と 56玉/66香 57飛/67全 46玉/56歩 47飛/57全 36玉/46歩 37飛/47全 26玉/36香 27飛/37全 同圭寄/17飛 16飛/17圭 同と/15飛 25飛/15歩 36玉/26香 35飛/25と 46玉/36歩 45飛/35歩 56玉/46歩 55飛/45と 66玉/56香 65飛/55と 76玉/66香 75飛/65と 86玉/76歩 85飛/75と 同と右/94飛 そろそろ終わりに近づきました。 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87と 66玉/76香 67飛/77全 56玉/66香 57飛/67全 46玉/56歩 47飛/57全 36玉/46歩 37飛/47全 26玉/36香 27飛/37圭 同圭左/17飛 16飛/17と 同歩/15飛 25飛/15と 36玉/26香 35飛/25歩 46玉/36歩 45飛/35と 56玉/46歩 55飛/45と 66玉/56香 65飛/55と 76玉/66香 75飛/65と 86玉/76歩 85飛/75と 同と右/94飛 最後の一周です。2歩禁がらみでみで25歩を取ることが出来て15に空間が出来ました。 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97と 76玉/86歩 77飛/87全 66玉/76香 67飛/77全 56玉/66香 57飛/67全 46玉/56歩 47飛/57全 36玉/46歩 37飛/47圭 26玉/36香 27飛/37圭 同と/17飛 16飛/17歩 同と/15飛 25飛 36玉/26香 35飛/25と 46玉/36歩 45飛/35と 56玉/46歩 55飛/45と 66玉/56香 65飛/55と 76玉/66香 75飛/65と 86玉/76歩 85飛/75と 同と右/94飛 長かった旅もそろそろ終わりを向かえます。15の地点が出口ですね。収束はあっさりですが、残された駒数も少しですのでうまく纏まっているのではないでしょうか。 96飛/94と 同と引/97飛 87飛/97全 76玉/86歩 77飛/87全 66玉/76香 67飛/77全 56玉/66香 57飛/67全 46玉/56歩 47飛/57圭 36玉/46歩 37飛/47圭 26玉/36香 27飛/37と 15玉 25飛/27と 14玉 15歩 25玉/14飛 26歩 34玉 12桂成 14金右/23飛 33飛成/23金 迄 519手 【詰上り図】 確かに手数短縮のポイントは前作より少ないかもしれませんが、解答者からは絶賛を浴びました。全く無駄のない構成が評価されたのは間違いないでしょう。私は答えが傍らにあるという誘惑に耐えられず自力では解けませんでした。要因は先の見えない次点での序盤の紛れです。ここを乗り切るにはかなりの根性が必要ではないかと思います。実は未だによく分からない(泣) 本作は519手という手数以上に内容が充実している、まさに傑作の名に相応しい作品です。PWCの神はまだ北村さんに宿っているそう言っても間違いない。 (注)解答手順の表記は橋本さんの解答を参考にさせていただきました。 * 癇癪老人 「龍と馬を舞台から退場させる序盤、飛車右回りで1歩得るまでの中盤、 スイッチバックしてからの終盤。難解性はないがほぼ完璧の舞台構成と思います。収束はこんなものでしょうか。」 全駒使用で残り駒数が少ないですから収束はこれで上出来でしょう。 小峰耕希 「前回(301手版)と比べると、破調が少ない(?)せいか可成易しい作品です。もっとも前作を自力で解いたという蓄積も大きいのでしょうが。しかしながら技術的には前作に引けを取らないパズル物に仕上がっていると思います。まずもって、序の香並べに感心しました。単に並べるだけでも充分凝っているのに、将来の逆王手未然防止のために、七段目の大駒清掃まで入れてしまうのですから。次に桂の成らせですが、これは前回もあったし、全体の構成を見ればおまけに過ぎません。第3段階では9筋で二歩禁を利用して一枚剥がす訳ですが、その直後に歩の間隔を一間にしなければならないという謎解きがあり、僕はここで少々悩んでしまいました。後は1筋でもう一枚稼いで、その時に出来た穴から、スピード感ある収束に入る----。このシリーズはどれも終始論理的な構成で、僕ととても相性が良いようで、またその点が気に入っています。次回も楽しみにしています! 」 かなり易しくはないでしょう。解図力がかなりなければ序は乗り越えられません。(泣) 北村太路 「(前回の301手詰のときと同じく)一回だらだらと創作過程を書いて見ましたが、長いし読みにくいので割愛。今回は、前回の301手詰のときと違い、手数短縮の工夫が作意中に全然ないので、パズル性がなく、解答者の方は全然面白くないかもしれません。序は、手数を稼ぐために無理やり龍と馬の逆王手を絡めて、ついに作者の制御の限界を越えてしまいました。これでいいのかわかりません。ひたすら長さだけが目標になった図ですが、普通ばか、普通かしこ、ルール拡張のPWCばか(極光U収録作)とか他ルールと比べると、この手数の中途半端さが感じられます。実際のPWCばか詰の極限が何手まで可能なのかまるでわからないなので、500手越えが結構いい線なのか、全然お話にならない短手数なのか検討がつかない状態ですが。全駒40枚使用になったわけですが、それぞれ駒の特徴が少しずつながら生きている部分があると思うので、それなりの満足はしています。語りだすときりがないのでこの辺でやめます。」 まだまだ可能性はある・・・そう思いますしそれに一番近いところにいるのは北村さんであることは間違いないでしょう。 若林 「難解な序、華麗な趣向、という構成は伝統詰将棋のような気分。とにかく最初の銀の成らせが難しい。何故この構造で銀を8段目に残す別解がないのか、序の成り立つ理屈が分かりませんが、解く立場としては序に参りました。そこさえ乗り越えれば軽い桂の成らせを経て回転が始まる。時計回りで一歩入手した後、反時計回りに逆回転が始まるのが凄い。ここの手順もシンプルで楽しい。楽しませていただきました。」 この序は解明にもう少し説明が必要ですね。北村さんにお聞きしないと・・・ 橋本孝治 「いやはや第6回の301手詰も凄かったですが、これは更に凄いですね。とにかく最初の80手が難解。輪を回すときに逆王手が掛からないよう配置を入替えるのは分かりますが、紛れがやたら多くて何回右往左往したことか…。主部も一方向の回転ではなく、途中から逆回転するのが巧妙。これを生み出す“84と94と”の2枚の配置をどうやって思いついたのか知りたいものです。北村さんが作られてきた回転型入替えパズルの中では、本作のような飛で回すタイプのものが一番応用が利きそうに思いました。今後の発展も楽しみです。」 どうやって思いついたか?北村さんお願いします。 真T 「おそらく1サイクル32手の部分から作り始めたと思うのですが、逆回転になるとは思いもよりませんでした。さらに序に、龍、馬、銀の並び替え。89玉の配置が秀逸です。すごいとしかいいようがありません。解けて良かったです。」 解けてよかったというのが解答者の一番の褒め評かも 隅の老人B 「目玉商品だそうですが、高価(長手順)すぎて、闇雲流にはムリ。万が一、解けても、手数勘定や解答書きで、こりゃ又大変。解けないくせに、おかしなことを考える。」 お忙しかったようで・・・是非手順を並べて見てください。(並べるのも大変) 伊達 悠 「もう、無理です・・・・・北村さん・・・・・・趣向さえも見えてこない・・・・・・結果稿を楽しみにします。」 こら!もっとがんばれ! 総評&解答成績
【総評】
癇癪老人 (なし) 今回の一番解答(10/19)で全問正解ですから恐れ入ります。 小峰耕希 「月末はFLの天竺詰がどうやって逃れるのかわからず時間を多量に消費し、今月に入ったらFLの長編を解くので時間が過ぎて行き(千日手2題は解けました)、本作品展に余り時間を割けませんでした。ついでに第10回用の創作もまだ(^^;)その…、実は"PWC"ば自STMの検討でfmが塞がっていて…(←言い訳)。」 あの天竺詰って逃れる筋見つからなかった・・・ 北村太路 「1,2,5と大変素晴らしかった。」 6番は一番すばらしかった。 若林 「誰かの作は置いておいて、粒ぞろいで非常に楽しめました。」 橋本孝治 (なし) 真T 「2番はだいぶ考えたのですが、残念ながら解けませんでした。」 解答強豪真Tさんが白籏ですから難易度が分かると言うものです 隅の老人B 「僅かの6題を解くのに、約1ヶ月、暇な時間に考える。嘘、年から年中、暇、暇、暇。 最後の6番で時間切れ。と言うよりは、手数に吃驚、一目で匙を投げました。こんな長手数の問題を創れるのは、余程の天才。はたまた、天分プラス私と同様の暇人と、相も変わらずの憎まれ口です。 」 手数で匙を投げなければきっと解けたことでしょう。といいつつ私もでした。 伊達 悠 「今回はこういう感じで。あと、ちょっと気になることを2つほど。まず、詰備会でおっしゃっていましたが、PWC作品展は10回で終了になりますか?もうひとつ。何を今さらとも思いますが、前のアンチキルケばか詰作品展のようにABC評価をつけるというのはどうでしょう?」 とりあえず10回で定期開催は終了します。ABC評価は9回までなかったのでそのままで行く事にします。 * 【解答成績】
解答者数 8名 うち全題自力正解者 3名 全題正解者は橋本孝治さん、癇癪老人さん、若林さん、の3人でした。 最難問は2番でした。 |