◆ 応募のいきさつ ◆
「THE 職人」のコーナーで紹介している町の鍛冶屋さんの砥石が壊れてしまい、仕事が出来なくなりました。鍛冶屋の松野さんは、砥石を探し砥石屋さん
や問屋さ
ん、廃業した鍛冶屋などをあたりましたがみつかりません。こーさくもなんとか力になりたいと思い、インターネット等で探しましたが、今は取り扱っていない
と
言うところばかりです。このままだと「もう仕事を辞めるより仕方ないわい」と松野さんは言います。年老いて体がきついとは言えまだまだ仕事は続けて欲し
い。体が限界になって辞めるのなら仕方ないが、砥石がないという理由で辞めるのは辛くて寂しい。なんとかしたいと言う一心で探偵ナイトスクープに応募しま
した。果たして探し求める砥石は見つかるのか?
◆ ロケ1日目(2/5(日)) ◆
探偵は誰が来るのかはディレクターさんとの事前打ち合わせでも秘密で「楽しみにして下さい」とのことでした。探偵は松村邦洋さんでした。ナマの松ちゃん
を見た感想は「うーん、デカい!!」、「テレビで見たまんま」。少し緊張気味に挨拶を交わしロケを開始しまし
た。
松村探偵と松野さん宅へ、探し求める天然の砥石は佐賀の方で採れるものらしい、と言う事で佐賀の商工会議所に電話で聞く。佐賀で砥石が採れるとは聞いたこ
とがないと言われ、古くから創業している久留米の砥石屋さんを紹介してもらう。
今から九州まで砥石を探しに行くことを松野さんに説明すると「そこまでしてまではええ。ワシはここにおる」と言い出して一同困った。O.Aでも少し流れて
いたが、説得に少々時間がかかってしまった。「松野さんが行かないと砥石が見つかっても探しているものかどうか分からないでしょ」とか、「ちょっと行って
すぐ帰るよ。夕方には帰る」とこーさくも説得。
なんとか説得して、スタッフ含め6名(探偵さん、マネージャさん、ディレクターさん、カメラさん、音声さん、ADさ
ん)と松野さんと僕はジャンボタクシーに乗り松山空港へ。
移動中、松ちゃんは「おじいちゃん砥石が見つかるといいね」とか「おじいちゃんテレビに出て有名になるよ」と松野さんに気遣い話してくれた。松野さんが
阪神ファンと言うこともあって昔の選手のことなどマニアックな話で盛り上がる。飛行機で福岡へ飛び、ジャンボタクシーで移動し、久留米の砥石屋さんを尋ね
た。途中で昼食で食べた”どんめん”が美味かった。スタッフはそれぞれ違うメニューを頼んでいたけどこーさくは「やっぱりここまで来たらどんめんだろ
う」ってことで”どんめん”を注文。松ちゃんは”どんめん”にしようか”カレーどんめん”かと迷った挙句、”カレーどんめん”を注文。「カレーは裏切らな
い」と言う名言を残した。
◆ 久留米の砥石屋さん(
鹿毛問太商店)
にて ◆
円砥はずっと昔は扱っていたが今はないとの事。古い帳簿を取り出して昔の取引先を調べ、厳木の砥石製造業の吉野さんを訪ねてみようと言うことになった。
鹿毛さんもいっしょに案内し
てくれるということで車で1時間半くらい移動。
◆ 厳木の吉野さん宅近くにて ◆
昭和59年くらいまでやっていたがご主人さんは亡くなり、今は採掘も製造もやっていないとのこと。しかし砥石の元生産工場(倉庫)に在庫が少しあるとのこ
と。これはなんとかなるかな。期待できる。
近くの工場まで車で移動。
◆ 元生産工場にて ◆
ガラッとシャッターを開けると仕上げ前の砥石の原石がごろごろ。あるわ、あるある。「あるところにはあるんじゃなぁ」と松野さん。
中である程度の大きさの使えそうなのを選び譲ってもらうことになった。
砥石は加工しないと使えないので久留米の砥石屋さんと取引のある石材店の工場で加工することとなった。また、中心の軸の穴あけは昔働いていた厳木の方が協
力して
くれることになった。鹿毛さんが砥石を運び出して車に積み込みこの日のロケは終了。
松ちゃんとマネージャさんは東京へ帰り、スタッフはディレクターさんを残して大阪に帰った。僕と松野さんは帰りの飛行機がなくなったので、博多のホテルで
一泊して翌日帰ることになった。来るときは夕方には帰るからと言って(無理やり?)連れて来たが、とうとう泊まりになってしまった。
◆ ロケ2日目(2/8(水)) ◆
博多に泊まって帰った翌々日。朝、スタッフと松ちゃんが松野さんの家に到着。ロケ開始。
引越し屋さんが砥石を運んでくれ、松野さん宅にてダンボールを開封。中からきれいに加工された砥石とご対面。美しい仕上がりだ。感動!!その砥石を設置し
てモータのベルトを掛け回転させる。砥石は勢いよく廻る。松野さんは試しに刃物を砥ぐ。とても使い安いよい砥石だと松野さんは喜ぶ。その後包丁を打ち、こ
の砥石を使って仕上げた。とても満足な様子。
これでまだまだ仕事を続けないといかんなぁとめでたしめでたしのエンディング。
設置した円砥 こーさく父、松野さ
ん、松ちゃん、こーさく母、こーさく
◆ 番外編 ◆
獅子ヶ城跡
この岩山が砥石の原石で昔の採掘現場。これを見る限り原石はまだいくらでもある。昔は地場産業として成り立っていたが、需要が無くなり閉山となったとい
う。
ここでの撮影も行ったけど、全部カットでした。足元に転がっている石ころが求める荒砥に間違いないというシーンでしたが、吉野さんから工場に在庫があると
言う話を聞いてからなの展開には無理があったかな。しかし、ここに来てよかったと思いました。昔はこの岩山で多くの方が作業をしていて、産業として栄えて
いたんだなと歴史の重さ、自然の雄大さを感じました。
包丁を打つ光景
包丁を2本打って完成したシーンで
松ちゃん「これがよく切れる包丁ですね。ほぉーなるほど」
「おじいちゃんに後継者がいないということで、山田さん」
こーさく「はい」
松ちゃん「会社を辞めて、おじいちゃんに弟子入りしてはどうですか」
こーさく「はい。そうですね。出来ればそうしたいと思います」 #話の流れと言うかいきおいで応えました。
松ちゃん「おじいちゃん。山田さんはどうですか?弟子として?」
松野さん「ほうよなぁ。はっはっは。難しいぞな、この仕事は。」
松ちゃん「それじゃあ、僕はどうですかね」
松野さん「そりゃ無理じゃ」 ときっぱり!!
スタッフ一同 大爆笑
これはO.Aではカットされてましたけど、腹抱えて笑いました。