石ヶ山丈・貯水池 (沈砂池)
発電用水は、銅山川から第三通洞を通り、東平(トオナル)から, この貯水池に流れてきて、一気に596m下の
”マイントピア別子” の、対岸にある、端出場水力発電所まで、落とされ発電の、原動力となった場所です。
当時、日本一の落差でした。
住友は、レンガが、好きだったのでしょうか ? ここも、レンガが多量に使われています。
ここの、レンガ職人さんも、いい仕事をしています。 100年以上経っていますが、しっかりした構造物です。
回りは、森に帰っていますが、存在価値は十分です。
こういう、近代産業遺産が、山中に沢山あります。残念ながら、車で横付・・は出来ませんので、
登山に近いハイキングの感覚で、出かけてください。
何処にあるの?
貯水池(導水路)の、出口です。 ゴミ等を、取り除くための、鉄格子のフィルターが残っています。
オーバーフローの為の、切り欠き ?
貯水池から、導水路に戻す水門 貯水池の中から見た、水門部分
貯水池の入口部分。 ここで、水は2つに別れ、右は、そのまま導水路。左は、貯水池へ。
貯水池は、電気で言えば、コンデンサー。発電所へ落とす水を、安定させる役割の様です。
貯水池の出口。煉瓦で、しっかりとした構造物 その下には、発電所への鉄管の、土台が残っています。
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ここで、検証してみます。
端出場水力発電所の計画の大要が、「明治から平成へ ーー住友と共に60年」 齋藤武幸 にありました。
新設出願 = 明治43年 8月 (同11月認可)
使用水量 = 最大1,197立方m毎秒
総落差 = 597,2m
出力 = 最大4800Kw、常時2000Kw
取水口位置 = 愛媛県宇摩郡別子山村下七番
七番堰堤 = 曲線型重力式、玉石入コンクリート造、頂長71,817m、天端幅6,06m、基礎盤工最大高27,554m
貯水池 = 全容量47万9394立法m
湛水面積 = 8万9653平方m
水路亘長 = 総延長9363,3m
隋道 = 5068,3m
開渠 = 2144m
その他 梁、木樋、水管路
水圧管路 = 鋼板製亘長1273m
内径上部 = 0,86m
下部 = 0,61m
発電所位置 = 愛媛県新居郡角野町大字立川山字吉ヶ谷
水車 = 3台、2200馬力、600回転毎分、横軸衝動型水車(ドイツ・フォト社製)
発電機 = 3台、1500Kw,30サイクル、三相交流、3450V,回転回磁型(ドイツ・シーメンス社製)
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この石ヶ山丈・貯水池は、大きく見積もっても、20mx30mx深さ2,6m=1460立方mしかありません。
マイントピア別子の、すぐ上にある「鹿森ダム」は、160万tの貯水量があります。
上のデーターから見ると、貯水池は、鹿森ダムの1/3の容量を持っている事になります。
それだけの貯水出来るのは、山の南にある、銅山川の七番堰堤になると思います。
・・と言うことは、ここ、石ヶ山丈・貯水池は、正確には、「石ヶ山丈・沈砂池」と、呼ぶほうが、正しいと考えます。
導水路からの水が、なにかの原因でもし、止まったとすると、
1460立法m ÷1,197=1220秒=20分 しか、水力発電所を、動かすことしか出来ないのです。
ですから、昔から一般に言われている、貯水池よりも、沈砂池が、正解でしょう。
(注)1.197=明治45年12月に、端出場発電所が建設され、吉野川水系から、分水が開始された。
昭和4年七番堰堤が作られ、最大1.2t/sの水が第3通洞を通って、石ヶ山丈・貯水池に送られた。
当時は、吉野川下流では、洪水も多く上流で、水を取ることを、歓迎とは言わないが好意で見てた様な節もある。
新居浜平野では、発電で使った水のおこぼれを頂戴して、水田の水不足に、役立ったようである。
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ここまでは、貯水池と書いたが、沈砂池の方が、正解かもしれない。下の写真の、新しい看板は、沈殿池となっている。
高圧・高速で、発電所のペルトン水車に、水を当ててタービンを回すのですから、その中に砂とか、異物が混じっていると、
サンドブラスターではないけれど、水車の羽の消耗が、早くなってしまいます。それを、なるべく抑えるための、沈砂池と思います。
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2011年4月 行ってみると、無粋な看板が付いていた。
初めて来る方の為の、親切心だとは思いますが、この様な、産業遺産に付けなくても ・・・
他に、付ける所、無かったの ?
それと、「東平」とある標識が気になります。ここへ、来る方は状況が解っている方が大多数だと思いますが、
標識の方に行けば、東平にいけるのだ!!と思って、行くと決断の時が、来ます。 東平への、導水路は、こちらから
2011年10月 9日(SUN) 上部鉄道の、調査に行って来ました。石ヶ山丈停車場まで行きましたので、
もう少し足を伸ばして、貯水場まで、行って、シールを貼ってきました。
「おせっかいだった」 か? とも、思いますが、私は、これで良かったと思っています。