第1回・安南ばか詰作品展
安南ばか詰作品展・解説編
2月に入り新居浜でも雪が降っています。暖冬と言っても冬は冬なんですね。1月14日に開催しました第1回安南ばか詰作品展ですが解答者は9名となりました。そんなに難しくは無いと思ったのですが思うほど解答者は増えませんでした。
いろいろなイベントを行っていくのに参加者の数は主催者の一番気になるところです。 一人で突っ走っているようなことのないよう皆さんについて来て頂けるよう充実した内容になるよう今後もやって行きたいと思っています。 さて今回の作品展トップの作は果たして・・・・・・もったいぶって・・・・ それでは参りましょう。 【安南ばか詰ルール説明】 安南:味方の駒が縦に並ぶと、上の駒の利きは下の駒の利きになる ばか詰:先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める 。すかし詰は不可 二歩禁:利き二歩有効(詳細は安南ばか詰入門をご覧ください) 打歩:完全打歩(詳細はOFMルールのページをご覧ください) ”たくぼんの解図日記”に掲載しましたの「安南ばか詰入門」を纏めたページを作成しております。こちらもご参考ください。 安南ばか詰入門 開催日 : 2007年1月14日(日) 【注意】 スペースの関係で敬称は略させていただいております。ご了承下さい。 なおこの出題は「正式発表」扱いとしFairy Top\の対象です。 今回もPDF版を作成しております。ご利用下さい。 第1回安南ばか詰作品展PDF版問題編 【第2回安南ばか詰作品展・作品募集】 第2回PWCばか詰作品展の作品を募集します。 次回開催予定 : 2月15日 (投稿締切:2月10日) ※ 次回で安南ばか詰は終わりとなります。いろいろなルールに取り組みたいと思っていますのでご了承ください。 条件: 特に設けません。持駒制限OK・打歩OKです。手数も無制限です。一人何作でもOKです。 FM使用環境に無い方の検討はこちらで致しますのでその旨記入下さい。 投稿先:takuji @dokidoki.ne.jp 安南ばか詰1 真T 作
【詰手順】
47金 同銀生 56金 同銀成 58香 まで 5手 【作者コメント(投稿時)】 狙いは玉方銀を成らせることです。解答時評価ありということでもっと派手なもの(多重王手など)を作ろうと思ったのですが結局作れませんでした。最小限の配置で出来たのでまずまずでしょうか。 【解説(のようなもの)】 トップバッターは最近めきめきと頭角を現してきた真Tさんの小品。本作は今回のコンクール形式には向かないタイプの作品とは思いますが、狙いを少ない駒数で実現しているところなど好感が持ているのではないでしょうか。トップバッターには最適でした。 金2枚を使い5六銀を成銀に変える"成らせ”の手筋が主題。とどめは香というのが普通の詰将棋とは反対で面白い。最後の場面、打つ駒の香は実際歩以外の駒なら何でもいいのですが、香以外の駒だとだと初形から余詰みます。 評価はそんなによくありませんでしたが完成度は高い作品でした。 本作が投稿されたすぐあとに送られてきたのが下図の伊達悠さんの作品。全く同じ狙いの作品で、少々なら気にしない私でもさすがに返送せざるをえませんでした。伊達作は単玉で紛れがややあります。 * 北村太路 「成らせの筋ですがなんとなくどこかで見たような。形は!から1ですが、別ルールでたまたま同じ形がありましたね。あまりパッとしないです。評価:ちょっと厳しいけどC。」 癇癪老人 「ばか手筋なので一目。」 小峰耕希 「年賀詰? 悪くはないけれど、出来れば短コンみたいな作品を希望。その方が刺激を受ける。C」 真T 「評価A:Aがないとさびしいので…。いや、よく見たら立体曲詰なので…。と言ってみる。」 凝った物より簡明な作品の方が創るのは難しいのでは最近思います 橘圭吾 「簡明な成らせ物」 伊達悠 「自分も考えていた構想だけに好感が持てます。しかも確実に真T氏の方が上です。B」 隅の老人B 「持駒は香と思ったら、玉でした。B」 なんでもいいんですね もず 「頭金で詰まないと思ったら、頭香でした。詰め上がり"1"ということですね。」 橋本孝治 「簡潔な"成らせ"の入った"1"。きっと伊達氏なら、最後を"打歩"にするんだろうなぁ。B」 持駒を金2歩とすれば安南打歩ばか詰の完全作です 安南ばか詰2 神無太郎 作
【詰手順】
32飛 36角 38歩 91玉 31歩成 まで 5手 【作者コメント(投稿時)】 ちょっとミエミエですが、思い通りの作意が実現できました。 【解説(のようなもの)】 作者が思い通りの作意というくらいのダイナミックな攻防が繰り広げられます。配置を見れば96香に目がいきますが初形では歩の動き、その下の歩は角の動きといかにもこれが動き出しそうな予感はします。慣れた人なら玉は91へ飛ぶと直感できたことでしょう。 予想される手順は「○○飛→36角→38歩→91玉→○○」ですね。あとはラストの手を考えて初手を決めれば解けると思います。 初手32飛がラストの31歩成を飛車の動きに替える限定打(82も抑えるというのはやむを得ない)です。3手目の繋ぎの歩打ちも最終手を成に限定している意味付けに関与しています。全ての手がしっかり意味付けされた5手詰でした。評価もまずます。 * 北村太路 「ダイナミックですね。9六香を使おうと思えば簡単ですが、限定打、最後の成生の決め方、など面白いです。1九歩がちょっとねぇ。最後も生だといいんですけどねぇ。評価:面白い。もちろんA。」 癇癪老人 「空中戦はやはり面白い。」 小峰耕希 「9筋の柱がスペシャル級のヒントですが、最終手を巧く限定限定してある。B」 真T 「評価B 9筋の配置があやしすぎるので作意はすぐ見えました。最終手の限定の仕方が参考になります。 」 橘圭吾 「二歩禁を利用した三重王手が綺麗に表現されていてよい」 え〜2重ですね。感覚的には三重ですが 伊達悠 「最終手、生だとダメだから限定になるのか自信がないのですが多分これだということで送ります。間違っていたらすみません(作意っぽいのですがね・・・)。B」 生だと二歩です 隅の老人B 「派手な応酬、吃驚したなぁ。合駒入りは難しい。A」 もず 「96香のおかげで詰め上がりは見えやすいですが、さりげなく最終手を限定しているのがうまいと思います。」 橋本孝治 「詰上りの玉位置を81にした方が、この両王手は鮮やかに見えると思います。余詰消しで、紛れは減るかもしれませんが。B」 なるほど! 私の無い頭で創るとこんな感じ。 安南ばか詰3 北村太路 作
【詰手順】
33龍 34角 同龍 35角 45角 まで 5手 【作者コメント(投稿時)】 創っただけです。最下位かも。 【解説(のようなもの)】 ネットフェアリー界で一番勢いのあるのはこの方。TOP\長編連覇なるかが注目です。作者が創っただけという小品ですが5手で連続角合とはさすがといえますね。2手目好きな駒が入手できて4手目で玉を好きな駒に変化させることが出来るのですから、2手目はともかく4手目も大駒とは驚きます。詰上りはやや5番の私の作品と似た感じがあります。お気に入りも1つ入りましたよ。 * 北村太路 「面白い!A!・・・なはずがあるわけもなく。2番や5番を見習って創って欲しいものです。2二桂も結構みっともない余詰消し。評価:当然C。」 癇癪老人 「47とがあるので角合がすぐ見えてしまう。」 小峰耕希 「一番悩んだ割に動きが小さかったのが不満材量。このルールの5手詰の基本構成という気がします。C」 私は解答者としてなら悩んだ時点でAつけちゃいますね 真T 「評価B 合駒問題とは分かったのですが角というのが意外でした。」 橘圭吾 「意外に見えにくかった」 実は私も同じです 伊達悠 「これはいいです!!!うーん、他に何かいおうと思っても何も思い浮かびません。とにかくいい!!!A」 なんだかよく分からないが絶賛しています。 隅の老人B 「ソッポに角合、また角合。これも好作。2の後の出題は、少し損ですね。B」 2がダイナミックでしたからね もず 「角の連続合いがなかなか見えずにかなり苦労しました。限定が難しそうとわかっても玉を歩や桂の動きにしたいと思ってしまうのですよね。」 橋本孝治 「敢えて大きな駒に玉を変身させるのが狙い?あるいは"連合いシリーズ"の始まりか。B」 創作意欲を掻き立てさせるお約束の橋本さんの宿題です 安南ばか詰4 小峰耕希 作
【詰手順】
38馬 86玉 59飛 同玉 48馬 まで 5手 【作者コメント(投稿時)】 玉の動きがよくありそうな予感で、評点は大した事ないと思いますが、第2回アンチキルケ作品展出題作の上下逆ヴァージョンという狙いが一応はありまして、その点は割とすっきり表現出来たのではと思います。 【解説(のようなもの)】 第2回アンチキルケの作品は記憶に無かったので見てみると、たしかに似たような感じで玉を51へ飛ばす為の舞台づくりが本作と似ていました。 玉方の龍と馬を見れば動く場所は分かってしまいそうですが、玉を59に運ぶという1つの狙いに攻方の手順が見事に構築されています。初手はばか詰的には49馬が本筋っぽいですが、ぐっと抑えて38馬、3手目、59に飛ばすため自ら59に移動となかなか見せてくれます。 * 北村太路 「これも動きまわってますね。ちょっと盤面は雑然としていますが。評価:頑張ってはいる。B。」 癇癪老人 「57桂がつらい配置。強力なヒントになってるし・・」 この桂は最終手限定のためだけの配置です 小峰耕希 「玉の動きが見え透いているのでコンテスト向きじゃないですが、執念深く59に追い込む感じが、アンチキルケの51誘い込みと似ていて良いかなと勝手に思った次第。一応紛れもある事はありまして、例えば初手から38馬、26玉、29飛、17玉は、18桂が"玉"になっているので逃れ。ただこれに惑わされる方は殆どいないでしょうが。」 真T 「評価A 59飛!取られる位置への限定移動、いいですね。」 割と作品は少ない狙いだと思います 橘圭吾 「もう少し距離を伸ばしたい所ですが。」 伊達悠 「ばか詰は一通りしか答えがありません。よって開き王手も正解は一つだけしかありません。それでも3手め5九飛は、思いつくまで非常に時間がかかりました、。今回一番ひねくれた詰上がりでなくてほっとしてここで休憩。B」 隅の老人B 「これも派手だが、8段目の玉方の桂が気に入らぬ。私なら歩ですね。B」 18・58桂は歩でも同じ。違和感は慣れない人には拭えない? もず 「飛をわざわざ取らせるのがうまいのですが、初手を49馬でなく38馬限定になっているのが地味に面白いと感じました。」 橋本孝治 「初手と3手目の連携で、飛を取れるようにするのが面白い。こういう複数の手がひとつの目的を形成する作は好き。A」 安南ばか詰5 たくぼん 作
【詰手順】
48飛 86玉 77王 76玉 87角 まで 5手 【解説(のようなもの)】 王で王手するという安南特有の手筋を知ってもらおうと作図しました。解き難さを少しでも感じてもらえれば満足です。創作側からは79とを何とかなくしたい。初手79飛の紛れがどうしても入れたかったのですが、余詰防止駒が余りにも醜く断念しました。 詰上りの両王手が安南特有の筋です。まだまだいろいろな筋はありあそうです。 しかし予想外でお気に入り2票獲得しトップとなってしまいました。嬉しい誤算でした。 めったに無いので素直に喜びましょう。 * 北村太路 「玉と玉が向かい合った詰上がりも面白いし、双方とも玉が飛と角とに性能変化しているのも面白い。全部の王手が王で掛けている(最後は両王手)なのも面白い。評価:A」 あまり意識していない部分で私もびっくりしました 癇癪老人 「初手はなにも考えずに48に打ってしまいますが安南双玉の好作。」 小峰耕希 「攻方着手が文字通り王手ですね。初手は第一感でしたが、それは56玉と誘い込むためだと思ったので一苦労しました。よく考えてみるとその形は最終手58飛でも49飛詰み なんですね。B」 真T 「評価A 玉と玉のぶつかり合い。楽しすぎます。」 橘圭吾 「詰め上がりが見えにくいが気づけば易しい。二回に渡る玉による王手が見所?」 伊達悠 「今回の中で最難問。双玉だから、初手から王の下に飛車かな?と思ったら正解。そう思っていなかったら多分解けなかったでしょう。最後も角の上で両王手の収束。いや〜、難しかったです。あと(勝手に予想)、もとは飛角図式だった?A」 全然違います(笑) 隅の老人B 「これぞ、ばか詰。玉で王手は愉快、愉快。A」 もず 「王で玉に王手をかけられるのは安南の一つの醍醐味ですね。最終手の爽快感が一番です。」 橋本孝治 「玉をもって玉を制す――これ安南の極意なり。B」 安南系ではよく見かける手筋ですのでよ〜く覚えておきましょうね 総評&解答成績
【総評】
北村太路 「お気に入り:やっぱり5でしょう。今回は5番圧勝じゃないかな。」 解答1番乗りは北村さん。次回はきっとあっと言う作品で登場でしょうか? 癇癪老人 「やはり手数5手の制約はきつかったと思います。それにしてもこの前の太郎さんの作品には参りました。」 癇癪老人さんは太郎さんの傑作の余韻がずっと残っているようですね。あれは最高級品ですから・・・ 小峰耕希 「首位はA神無太郎作。これを解いた段階ではそうは思いませんでしたが、後から他の作品を解き終わってみると、太郎作が一歩リードかなと。評点はB2C2ですが、悪くはない作品展だと思います。次回は七郎さんの長編趣向に期待します。」 だそうです。七郎さん。お忙しそうですが大丈夫かな 真T 「お気に入りは安南ばか詰5たくぼんさん作です。それぞれ主張があって面白いので最初全部Aにしていましたが、それでは意味がないと思い、相対評価でつけました。(評価Cがないのは自作が…。全然相対評価じゃない(笑))」 次回もご参加よろしくお願いします 橘圭吾 「七時からのカンファの時間潰しに最適でした。5手だから楽しめる。次回が怖い。」 次回は私も内容は分かりませんがお楽しみに・・・ 伊達悠 「お気に入り;3番(以前のPWCばか詰作品展での簡素合シリーズを思い出すからでしょうか。非常に好みです。)」 北村さんにぞっこんですよ 隅の老人B 「解図の時は、先ず、ルールを読む。 フェアリーは種類が多くて、そのル−ルを忘れている。 ボケ、そこで例題を並べて、再確認。 安南詰では、今、この駒はなんだろう?、頭の中がク−チャ、クチャ。 たったの5手と言うなかれ、要した時間は長かった。 5題完解、きっと今年は良い年だ。新年早々、嬉しいね。」 今年もヨロシクお願いします。私も今川さんの存在が解答意欲を掻き立ててくれます。 橋本孝治 「お気に入り:4.小峰耕希作 今回はいろいろ事情があって、解答を出すのが遅くなりました。(解図自体はとっくの昔に済ませていたのですが。)次回は作品でも参加できるよう頑張ります。」 次回はよろしくお願いします。安南ばか詰の長編はなかなか難しいですね。 * 【解答成績】
解答者数 9名 全題自力正解者 9名 解答者は9名で2桁まであと一歩でした。今回はわりと易しかったのでもっと増えるかと思ったのですが・・・残念です。 【お気に入り投票・結果】 今回のお気に入り投票は投票総数・・・・5 順位表
誰かさんの作品がが共にトップ。まあ新年のご祝儀と言うことで夫婦で祝杯を上げましょう。 その他3作にお気に入りが各1票ずつ入り、人それぞれ好みがあるのだと感じました。 |