東人の新居浜生活ひうち弁辞典
1999年9月22日より

燧(ひうち)弁辞典


 夏目漱石の「坊ちゃん」の中に、次のような一節がある。
・・・

しかしこんな田舎者に弱みを見せると癖になると思ったから、なるべく大きな声をして、少々巻き舌で講釈してやった。最初のうちは、生徒も煙にまかれてぼんやりしていたから、それみろとますます得意になって、べらんめい調を用いたら、いちばん前の列のまん中にいた、いちばん強そうなやつが、いきなり起立して先生という。それ来たと思いながら、なんだと聞いたら、「あまり早くてわからんけれ、もちっと、ゆるゆるやって、おくれんかな、もし」と言った。おくれんかな、もしはなまぬるい言葉だ。早すぎるのなら、ゆっくり言ってやるが、おれは江戸っ子だから君らの言葉は使えない、わからなければ、わかるまで待ってるがいいと答えてやった。
・・・
 愛媛の言葉は、このおくれんかな、もし調のゆっくりとしたしゃべり方をするものと思っていた。
 新居浜に転勤しきてから、おくれんかな、もし調の言葉は、松山付近でも聞いたことが無かった。「坊ちゃん」の世界の言葉は廃れたらしい。

 あるホームページで新居浜付近の言葉を「ひうち弁」と表現していた。「ひうち」とは、瀬戸内海の新居浜付近を「燧(ひうち)灘」と呼ぶことからきているのか?。
理解に困った言葉の例を挙げると次のようなものが有る。

 新居浜で聞く言葉は大阪方面で使われている関西弁とも違っている。
 近畿圏の言葉は時代と共に変化して今の関西弁になったものらしく、昔ながらの関西方面の言葉が四国では残っているということを聞いたことがある。
 ということは、四国の言葉は、かつては日本の中心であった関西の言葉、すなわち標準語であったことになる。 一部の言葉については古語として辞書に出ているものがある。
 
 広辞苑に出ていた言葉には【広辞苑】として併記します。

Sorry! Hiuchiben Only

あづる  
あ ほう
あます
あんぎ
いたくずし
いらう
いなげな
いぬ
うそごと
うまない
おいちゃん
おいでますか
おかしこまり
おく
おころく
おらぶ

・・・かい
かく
かんらん
きょうび
くさびき
ケーキ
けごい
・・・けん
けんびき
ことない
こんこ
ごんごん

さらこい
ざんき  
しゃぐ
しゃくる
すばる
そくる

たいも
だらい 
ちびらす 
・・・ちゃ
つい
つつ一杯
でざと
でんぼら
とぎらす
とっぱち
どべ
とりのこ用紙
どんなかった

なあんちゃ
なくする
なしになる
○○にい、○○ねえ
ぬくい

はせる
ぱちる
はめる
びいこ
ひっしこ
ぶかい
ふとい
へらこい

ほじゃけん(ど)

まがる
まくる 
もぶれる

・・・やか
・・・やん
やんどる
よせて
よめ 
・・・よる

ラーフル



・・・わい

番外編   湘南弁辞典


 
まくる 
捨てるの意味。京都弁では「ほかす」、北海道弁で「投げる」、上州(群馬)弁では「ブチヤル」。 
 最初、上州弁の「めくる」と同じかと思った。「めくる」は「巡らす」からきた言葉で「回す」という意味なので別であった。

 「まくる」を強調して、「ほとまくる」と言う人もいる。
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とりのこ用紙  
模造紙のこと。地元の人と仕事するようになり、「何?、それ?」と聞き返すことが多くなった。これはその一例。
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ざんき 
鳥の唐揚げ
飲食店に行き、「うどん定食は、うどんに何がついているのですか?」と聞いたら、「ザンキがついている」と言われた。
ザンキ、ざんき、慚愧・・・?「何?、それ?」と聞き返すわけにもいかず、他のものを注文した。

【注】正確には、ザンキ=鳥の唐揚げ では無いらしい。
 ザンキは、揚げる前に鳥肉をタレに漬け込むところが唐揚げと違う。
 また、ザンキは正確にはセンザンキという。
 【関連URL】
       smb.netの関連ページ
   
 その後、北海道に出かけた時、飲食店の前のサンプルに「ザンギ」と表示されているのを見かけた。
 北海道や山形県では「ザンギ」といわれているらしい。
 
 この語源には諸説があるようだ。
 中国語の「炸鶏(ザーチー)」もしくは「炸子鶏(ザーツゥチー)」あるいは「揚鳥(ジャージー)」がなまったものとの説。
 ザンギリにするからザンギになったとも考えられている。



 北海道の釧路に行った時、釧路を紹介するパンフレットに「ザンギ」の説明があった。
 
 ザンギ
 釧路では、昭和35年に市内の焼き鳥店「鳥松」で中国料理の「ザーギー」なる鶏の唐上げを「運」がつくように「ザンギ」と名付けたと言われ、骨付き肉を揚げてソースを添えて出しました。それが広がり、ザンギ専門店ごとに独自のタレがあります。
 
 北海道の「ザンギ」は、出所が明確なようだ。
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だらい  
「おかしい」という意味だと思う。一緒に仕事していた人が、話の中でよく「だらいねえ」と言っていた。最初は意味が分からなかった。 「だらい」は「だらしがない」とか「ダサイ」という言葉に似ているためあまり良い意味の言葉ではでは無いと思った。しかし、話を聞いているうちにそれほど悪い意味では無いようにも思えてきた。
「だらい」が甚だしい場合は、「ばらだらい」と言うらしい。
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あづる  
トラブる。苦労する。という意味。
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おく  
会社で、先に帰宅しようとした人が帰り際に「もう、おきませんか」といった。 「何が起きるのですか?」と聞いたが、「もう、終わりにしませんか?」という意味だった。
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ことない
大したこと無いという意味。事無い。
上州弁に、これと反対の意味の、「オーゴト(大事)」と言う言葉がある。
 
 【広辞苑】
   こと‐な・い(殊ない)
   [形]「ことなし」の近世語形。
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○○にい、○○ねえ
  
年上の人へのニックネーム。○○兄さん、○○姉さんの意味だが、親しみと尊敬を込めて呼ばれているようだ。このように呼ばれる人は、それなりの人物が多いように感じる。 
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こんこ
  
沢庵。関東でも言う「おこうこ」と通じる言葉のようだ。 
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びいこ
  
魚のこと。幼児語らしい。「おびいこ」とも言うらしい。 
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・・・わい
自分の意志を現す言葉の語尾につけるもの。「行ってこうワイ。」とか、「・・・しようワイ。」等と使う。
 私にはわからないが、これは目上の人と話すときには使うものではないらしい。
 会社で、若い社員が年長者から注意されて、「これからは気をつけようワイ。」と答えて、その年長者が呆れ返っていた。
 
 【広辞苑】
   わい
   [助詞]感動・詠嘆の意を表す。
    浄、油地獄「是で腹を癒る―」。「うまく行った―」
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はめる
「入れる」こと全てをハメルと言う。
 コンピュータの所定の所にデータをInputすることもハメルと言っていた。
ある人が余所の土地に行き、酒席で同席した女性のグラスに酒を注ごうとして、「ハメたろか?」と言って驚かれたという話もある。
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いらう
いじる、さわる という意味。
新居浜に最初に来たとき、ガス屋さんがプロパンガスの説明に来て、「バルブはいらわんでいいんです」と言っていた。

 【広辞苑】
 いら・う(弄う)[他五]イラフ(イロフの転とも)
 もてあそぶ。いじる。さわる。
 浄、冥途飛脚「包みは解くに及ぶまじ、―・うてみても五十両」
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おらぶ
   
叫ぶ。

【広辞苑】
おら・ぶ(叫ぶ)
 [自四] 泣きさけぶ。大声でさけぶ。
 万九「天(アメ)仰ぎさけび―・び」
 
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かんらん
 キャベツのこと。
 
 【広辞苑】
   かん‐らん(甘藍)
    @葉牡丹(ハボタン)の別称。
    Aキャベツ。〈季・夏〉
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すばる
水分を失ってカサカサすること。
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たいも
里芋のこと。(田芋)

 【広辞苑】
   た‐いも(田芋)
   サトイモの異称。特に、水田でつくる品種をいう。沖縄地方で「ターンム」。
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でんぼら
シャコのこと。
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さらこい
素早いこと。
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へらこい
ずるい。ずるがしこい。
この言葉は昔から知っていた。
 転勤前にいた職場でエライ人が好んで使っていた。その人は新居浜で生活した事はなく、人から聞いた言葉を勝手に解釈して使っていたようである。
 平成2年度の職場のカレンダーには、「楽しく、ヘラコク、逞しく」というスローガンが書かれていた。
「賢くふるまう」という意味にとらえていたのだろうが、新居浜の人にこの話をして呆れ返るほどの悪い意味の言葉であった。
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つい
同じ、同類という意味。(対)
 砥部動物園に行ったとき、サルの檻の前で、子供を連れた母親が、「あんたも、このサルとツイじゃ」などと言っていた。
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きょうび
現代。今日このごろ、の意味。(今日・日)

 【広辞苑】
   きょう‐び(今日日)ケフ・・
    きょうこのごろ。こんにち
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ふとい
太いという意味より、大きいという意味で使われる。この仕事は儲けがフトイなどと使う。
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けごい
毛深いという意味。毛濃い。
 
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どべ
最下位。ビリのこと。関東では、ビリッケツ、群馬ではビッケなどと言っていた。
 
 【広辞苑】
   どべ
   @(東北・北陸・中国・四国地方などで) 泥。
   A(中部地方などで) 最下位。びり。
 
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  しゃぐ
轢くこと。以前、会社の入り口に大きな蛇が車に轢かれていた。現場の人が、「あの蛇をシャイだのは誰だ?」と話していた。
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・・・よる
「・・・している。」の意味。
「何してるのですか?」は「何しヨル?」。これが変化して、「何しヨン?」、さらに短く「ナンシヨ ン?」となり、初めて聞く人にとってはフランス語かと思われる言葉になる。
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・・・かい
関東では、「・・・かい?」と疑問型で使うが、こちらでは自分の感情を述べる時に使う。
「この仕事は大変カイ!」などと使う「述懐」のカイである。
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・・・けん
新居浜付近の言葉の典型的な響きは、この語尾のケンである。
「・・・だから」という意味で使うこともあるが、物事を言い切る時にも使う。
「・・・だから」という意味では、「じゃけん」と言うこともある。
また、人によっては「きん」と聞こえる言葉を使う人もいるが、「けん」と「きん」の違いは判らない。
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そくる
「しくじる」という意味。
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うそごと
娘がよく使う幼児語である。
友達と遊んでいるときなど、「私はシンデレラのことね。ウソゴトよ」などと言う。
「・・・ごっこ」をする時に何を想定しているかを言うときに使っていることは判るが、関東の子供は「ウソゴト」という言葉は使わない。
愛媛の子供の独特の言葉なのだろうか?
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つつ一杯
目一杯と言う意味。
「バルブをツツ一杯開ける。」などと使う。
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くさびき
草むしり、草取りのこと。草引き。草をむしることは、草を引くという。
 確かに、草をむしっただけだと根が残るが、引き抜けば根も残らない。草引きの方が適切な表現かもしれない。
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こそばい
くすぐったい。
これは娘から教わった新居浜弁。
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なあんちゃ
「何にも」という意味。
「なあんちゃ、かまん(構わない)」などと使う。

 先日、当家でカマンベールチーズを食べて、「なあんちゃ カマン ベール」と言ったら、大受けしました。
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ちびらす
関東の「漏らす」という意味の言葉とは違う。
すり減らす、という意味。「チビ」にするということからきたものか?。
「すり減る」という意味では、「チビる」と言う。
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なしになる
人が亡くなることを、「なしになる」という。
 亡くなる → 居なくなる → 存在が無くなる → 「無し」になる ということだろうか?。
 初めて聞いた時には異様な表現に感じられた。
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やけん
「・・・だから」という意味で、理由を述べた後に「やけん」とつなぐ。
 娘がこの言葉を良く使うようになった・・・。
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・・・やか
余所の事例を引き合いに出すときに使う「・・・などでは、」という意味。
 「○○会社やかでは、このようにしている」などと使う。
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いなげな
「変な」という意味。
 このホームページも新居浜の人にとっては「いなげな」ものかも知れない。
 千葉市には、稲毛区という名の区があり、稲毛という駅もある。
 稲毛区に住む人がこの言葉の意味を知ったら、いなげに思うかも知れない。
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あます
苦労するという意味。
「手に余る」から来た言葉か?。

【広辞苑】
あま・す(余す)
[他五](主として受身の形で用いられる) 処理できないものとする。また、もてあます。
平家一「世に―・されたるいたづら者なんど」
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でざと
 デザートでは無く、出身地のこと。出里。
 漢字で書けばわかるが、いきなり「デザトはどこか?」と聞かれて、一瞬考えてしまった。
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ひっしこ
 「必死に」という意味。
 「ヒッシコになって仕事する」などと使う。
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おころく
 ただ働き。
 サービス残業(残業しても残業として扱わずに手当のつかない残業)のこと。
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ごんごん
 ドンドン。
 「ゴンゴン、温度を上げる。」などと使う。
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・・・やん
 関東の言葉の「・・・ジャン」と同じ意味。
 関東の「・・・ジャン」は、「・・・じゃないか?」が詰まって、「・・・ジャンカ」あるいは「・・・ジャン」となった。
 関西では、「・・・やないか?」が同じように変化して「・・・ヤンカ」さらに「・・・ヤン」となったのカナ?
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もぶれる  もぶす
  「混ざる」という意味。
 「混ぜる」は「もぶす」という。
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かく
  「運ぶ」という意味だが、「かく」という言葉も新居浜独特の言葉だと思う。
 太鼓祭りの時、太鼓台を担いで競うことを「かきくらべ」と言うことは知っていた。
 太鼓祭りでは太鼓台を高く持ち上げるのが一つの見せ場であり、「持ち上げること」が「かく」ということかと暫く解釈していた。
 新居浜に居た人からのメールで、学校の掃除の時などに「机をかいて」と使われている言葉と知った。
 持ち上げるだけでは無く、持ち上げて運ぶという意味の言葉らしい。
 
 余所では「かく」という言葉を「運ぶ」という意味で使うところは無いと思う。
 新居浜以外の土地に行き「升」を運ぶことがあったとしても、決して「かく」と言ってはいけない。
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とっぱち
 「最初」という意味。
 「とっぱちからあずった」などと使う。
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なくする  
 娘から聞いた話では、惣開小学校にある購買所に「おつりをなくしてください」と書いてあるそうだ。
 「釣り銭を紛失して下さい」という意味では無く、「おつりの無いようにしてください」ということだろうが、娘達は「変だね」と話していたそうだ。
 
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どんなかった
 「どうだった?」と、過去の様子を聞くときに使う。
どんなかった?」、「きれいなかった。」 などという会話を耳にすることがある。
 
 また、こんな話もある。
 病気見舞いに行ってきた人に訊ねた・・・
 「彼の具合、どうでした?」
    「元気なかった
 「それは心配ですね」
    「いいえ、元気なかったの心配要りません」
 「?」
   過去形であるが、少し変な表現に聞こえる。

 しかし、今の日本語全体についても、過去形の使い方がおかしくなっていると感じている。
 過去の状態を述べるには「・・・でした。」と表現すべきだろうが、「・・・だったです。」という表現を良く耳にする。例えば「良かったです。」などの表現で、現在では正しい表現とされているが、少し気にかかる。「良い○○でした。」と言うのが正しいのでは無いだろうか?。
 
 否定形になると「・・・無かったです。」と言う人が多い。「です」さえつければ丁寧な言葉になるとは限らない。これには「・・・ありませんでした。」という正しい表現が存在する。
 
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はせる
   綴じる、ファイルするという意味。
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おいでますか
 「いらっしゃいますか?」という意味。
 電話などで「○○さんは おいでますか?」などと言っているのをよく耳にする。
 病院の中の張り紙に「・・・の方がおいでましたら申し出て下さい」などと書いてあった。

 「いらっしゃいませ」の意味の「おいでませ」というのは全国でも通じる。
 「おいでますか?」は「おいでませ」から類推して意味はわかる。

 この意味の言葉については、今の日本語全体の方がおかしな言い方をしている。
 「おられますか?」と多くの人が使うが、「おる」という謙譲語に、「られる」をつけても丁寧な言葉にはならない。
 「おいでますか?」は明らかに敬語であり、「おられますか?」より正しい日本語かもしれない。
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ラーフル
 黒板消しのことを「ラーフル」と呼ぶらしい。
 「ラーフル」が通じるのは、愛媛と鹿児島および宮崎県だけで、余所の土地で「ラーフル」と言っても通じない。
 名古屋の業者の商品名から「ラーフル」と呼ばれるようになったらしいが、語源は不明。 
 
 文房具売場に黒板消しが置いてあったが、「ラーフル」と書かかれた値段シールが貼ってあった。
 
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けんびき
 一般には「肩こり」のことらしく、広辞苑を調べてみると出ていた。
 けんびき【痃癖・検引】(ケンベキの訛) →けんぺき
 けんぺき【痃癖・肩癖】(ケンビキともいう):癪(シヤク)の一種。頸から肩などにかけて筋肉のひきつること。リウマチ性背痛症。かたこり。
 癪(シヤク)とは?:種々の病気によって胸部・腹部に起る激痛の通俗的総称。婦人に多い。さしこみ。
 
 新居浜では、「けんびき」という言葉が不思議な使われ方をしているらしい。
 「口の中にけんびきができた」とか、「けんびきがひどくなってかぜをひいてしまった」あるいは「頭痛は、けんびきのせいだ」とか。

 「けんびき」とは、すべての病気の根元のように信じられているものらしい。

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いたくずし
 「かまぼこ」のこと。
 
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おかしこまり
 「正座」のこと。「かしこまる」からきた言葉だろうか?。
 
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・・・ちゃ
 なあんちゃのように、最後に「ちゃ」がつく言葉がいくつかある。
 「どれっちゃ」→どれも
 「いつっちゃ」→いつも
 「ひとっちゃ」→ひとつも
 
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あ ほう
 地元の人と話をしていて、「あ、ほう」と言われることがある。
 「あ、そう」という意味の相づちの表現である。
 「阿呆」と言われたと思って怒ってはいけない。
 
 この言葉は愛媛県東予地区でも微妙に違うらしい。
 川之江 三島では 「あ ほうな」
 新居浜では    「あ ほう」
 西条 周桑郡では 「あ ほうかん」
 この言葉で出身地が分かるようだ。
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まがる
 「まがるな!」という否定の命令形で使うことを地元の人から教わった。
 「まがるな!」は、「邪魔するな!」あるいは「触るな!」という意味らしい。
 
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よせて
 子供が遊びの仲間に入れて貰いたいときに「よ〜せ〜て」と言う。
 関東では、「ま〜ぜ〜て」だろうか。 
 
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いぬ
 この言葉は余所の人にとっては判りにくいものの一つに挙げられる。
 「いぬ」は「帰る」という意味になる。 
 漢字では「往ぬ」と書くようだ。漢和辞典をひいても「往く」という表現しか出てこない。 
 「いぬ」と言うことは稀で、「帰ります」という意味で「いんでこうわい」などと使われる。
 直訳すると「帰ってきます」となるだろうが、一度帰って戻ってくるのかとも思われるが帰ったままになる。
 
 【広辞苑】
 い・ぬ(往ぬ・去ぬ)
 [自ナ変](近世後期、上方では四段に活用。関西方言に残る)
> 行く。行ってしまう。去る。
 万五「うぐひすそ鳴きて―・ぬなる」
 
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おいちゃん
 「おじさん」のこと。
 娘が通っているスイミングスクールの送迎バスの運転手について、「運転手のおいちゃんがね・・・」などと話していた。
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 この言葉は全国共通であるが、一般には子供や若者が自分のことを「僕」という。
 新居浜に来てから年輩の人が自分のことを「僕」というのを何度も聞いた。
 大人になれば「私」と言うのが普通だろうが、「私」という時の少しあらたまった場合に、こちらでは「僕」と言っているようだ。
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ぱちる
 盗むという意味。
 仕事で使う備品を入れるために、スーパーマーケットで使うようなの籠を購入した。
 一緒に仕事をしていた人が、その籠のことを「ママイ(新居浜のスーパーマーケット)からパチッてきたんだ。」と嘘の説明をしていた。
 
 最近の若者言葉では、万引きを「パチリ」と言うらしい。新居浜の言葉が若者層に浸透していったのだろうか?。
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よめ
 奥さんのことを、この辺ではヨメという。
 うちのヨメ、いや家内が社宅に来る魚屋さんと話をして、魚屋さんが「うちのヨメが病気で寝込んでいてねえ・・・」などと話していたという。
 妻は、「連れ添って何十年にもなるのに、いまだに奥さんのことをヨメと呼んでいる」と呆れていた。
 
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ケーキ
 新居浜ではアイスクリームのことをケーキと呼ぶことがあるらしい。
 
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とぎらす
 削ること。
 娘が「鉛筆をとぎらす」あるいは「とぎる」などと使いだした。
 東人も子供の頃は「とんがらかす」などと言っていたが、これは神奈川の方言だろうか?。
 
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あんぎ
 「のんきに」という意味。
 「あんぎにかまえていた。」などと使う。
 
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やんどる
 
 「病んでいる」から来ていると思うが、
 「そーとーやんどる」 → かなり疲れている
 「このおせんべい、やんどる」 → しけっている
  などと使われる。
 
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ほじゃけん(ど)
 
 「ほじゃけん」=「だから」の意
 「ほじゃけん」(=だからね)などとをつけて使われる。
  用例:「ほじゃけんの、ゆったじゃろが。」

 「ほじゃけん」とがつくと「そうだけれども」の意味になる。
  こちらも「ほじゃけんどのーえ」(=そうだけれどもね)とのーえをつけて使われる。
  用例:「ほじゃけんどのーえ、しらんかったんよ。」
 
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ぶかい
 娘がこの言葉を使うようになった。
 洋服などのサイズが大きいことで、関東でもブカブカとは言うが、「ぶかい」とは言わない。
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ぬくい
 関西では「温かい」という意味だと思っていた。たしかに温かいという意味で「今日はぬくい」ということもある。
 しかし、娘がぬるい風呂に入ったときにも「ぬくい」と言うようになった。
 「ぬるい」という意味でも使うようだ。

 【広辞苑】
   ぬく・い(温い)
   [形]ぬく・し(ク)
    あたたかい。ぬるい。〈季・春〉
    相模集「下氷け―・くならば」
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うまない
   「うまく無い。」という意味。
 同じ意味の「美味しく無い」のことを「おいしない」というのも聞いたことがある。
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しゃくる
  吸い取る、吸収する という意味。
 
 「熱交換器で廃熱をシャクル」などと使われていた。
 
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【関連URL】
       おばあちゃんの新居浜弁